怒れ日本人!!! その1 注文していないワインを勝手に持って来られたら? 

ヴァッハウではヴァイン・フリューリンク(ワイン・スプリング)、ドナウ一帯ではトゥール・ドゥ・ヴァンが開催された週末前夜金曜の夜――つまり丁度一週間前――プリンセスはイタリア旅行の帰り途にウィーンに寄られたE夫妻とお食事をすることになっていました。

前回、あれは2年前。ウィーンでご夫妻と待ち合わせた際には、まだこちらへ来て日が浅かったこともあり、プリンセスはディナーの手配をする余裕すらなく、ウロウロした挙句ロクなものにありつけなかった苦い経験があるので、今回はしっかりと評判のレストランに予約を入れておきました。しかも、毎年のようにウィーンにお見えになるご夫妻が、お二人だけではなかなか行かれそうにないところ、…ということで、微妙に中心部を少しだけ外したドナウ運河を渡った向う側の2区、という技の細かさで万全の構え。

 

レストランはあまり色気のない街並みにひっそりと地味に佇んでいました。

――プリンセス、仰々しいのは好みではなく、この知る人ぞ知るという雰囲気は〇。

しかも、ドアを開け、中に通されると、いくつもの空間が繋がっていてかなり広い。それがまた、ほぼ満席に――ヂモティーらしきファミリーやらスマートカジュアルがお洒落に板についた知的自由業的雰囲気の人々等々――で埋まっています。

…おお、いかにも「美味しいモノを食べに来る店」という風情! 期待が膨らみます。

 

さて、最初に食前酒を尋ねられます。こちらのレストランではグラスワインは断りがなければボトル1/4が普通なので、お店のペースで食前酒、泡、白、赤、デザート、〆に食後酒と、一皿一皿ワインを合わせていると、3人で3本以上飲むような恰好となり、ベロベロになるのは目に見えています。そこで、夫妻にグラスで楽しむか、リストから現地でしか飲めないようなワインを12本オーダーしたいか、決断を促します。

 

迷っていると女性のサービススタッフはゲルバー・ムスカテラーを勧めてきます。しかし、ご夫妻の決断は後者に。そこでお店のお勧めを断り「ボトルでオーダーしたいから」、とワインリストを所望します。

 

戦いはここからはじまりました。

 

彼女、いつまで経ってもリストを持って来ません。

まあ、でもそういうことはよくあること。その間初老のメートルが食事のオーナーを取り、アミューズが来てもリストが来ないので、彼女に再度リストを催促。それでも来ないので、メートルにも更に催促。そしてようやくワインリストが渡されます。

おお、さすがウィーンのトップレストランのひとつ。ワインは充実しています。特にF.X. Pichlerがズラリ。必ずしもプリンセスいちのお気に入りという訳ではありませんが、オーストリアワイン好きなら涎の出るような…19992001の銘醸畑ものが€100前後。

勿論、買いでしょう。

ニタニタしながらリストを物色していると、今度はやけに早いタイミングで年の頃プリンセスとあまり変わらなそうなソムリエが現れ、ヘンテコな英語で「長いワインリストを読むのは、大変だよねぇ」と妙に馴れ馴れしく声をかけてきます。

「あー、放っといて! プリンセスにとってはリストからお宝を探すのは、お料理とワインを実際に楽しむのと同じくらい至福の時間なんだから。シッシッ!」…という言葉を飲み込み、ただ「いいえ。楽しんでいますから」とだけ返し、リストを読み続けます。すると「ワインなしにワインを選ぶのは難しいでしょ」と、ヤメックの11のリースリング フェーダーシュピールを注いでくれました。キリリと冷え白い花の風味も非常に爽快。うん、美味しい!

 

さて。喉も潤ったし、再びリストに没頭…はさせてくれませんでした。

ソムリエ氏:グリューナー それともリースリング? 或いはウィーン特産のゲミシュター・サッツ?

P:グリューナーでお願いします。

本来プリンセスはリースリング魔ですが、どうもこの店のリストにはあまりリースリングへの愛情を感じなかったからです。

S:それじゃあ、ここウィーンのサプライズなグリューナーを。

…と、ここでプリンセス、彼にはワイン選びを任さない方が賢明と判断。元々この店のリストがプリンセスの好み筋とは若干ズレていることは、既に予約時にネットで確認済みだったからです。

そして、選んだのは充実のF.X. PichlerからGV Kellerberg2001

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