ジャック・セロスで謝られるの巻  その4 ソレラでデゾレ…

<<前回はシュテファン大聖堂ワインお披露目報告前半でした

<<この話には前篇その1その2その3があります

 

そうですよ、ソ・レ・ラ!! 

…一体最初に見た小&中樽の並ぶ中にソレラが潜んでいたんだか、別の場所に隠されているのか…?

とにかく一目、Substanceを生むソレラをこの目で見ないことには、わざわざエアフラのストを押して、遥々バーデンから電車➡飛行機➡TGV➡メトロ➡TGV➡ローカル電車➡タクシー、と乗り継ぎ、丸一日がかりでようやくここまでたどり着いた甲斐がありません!!!

 

納得行かない私は、ホテルに戻ろうとするセロス氏を捕まえて、「済みません、最後の質問です。有名なソレラ・システムはどこにあるのですか?」と、尋ねてみました。

すると踵を返した彼は、セラーとは別の倉庫の大きな鉄扉を開け、中に我々を通してくれました。

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ジャック・セロスで謝られるの巻  その3 魔法の一滴

<<前回は「10月22日はオーストリアン・ゼクトの日」のお知らせでした

 

さて、アンセルム・セロス氏直々のツアー後半はセラーでのテイスティング。


最初に味わったのがInitial Brut NV

暗がりでわかりづらいとは言え、色も随分濃いし、シャンパーニュとしては異例に豊かで野太いノーズ。旨みとミネラルが半端なく、余韻も非常に長い。とにかくひたすら力強いお酒。私の聞き間違えでなければ、粘土土壌のブドウを多く使っている模様。そのせいか、決して抜けがいいとは言えない。

 

2番目はVersion Originale Non-Dosé NV

Initialより透明度の高い香味。テクスチャーもより滑らか。しかし味わいは、塩&ミネラルを感じさせる、より直截的で厳格なもの。余韻が綺麗。クラマンの南向き斜面のブドウを多用しているらしい。ノンドセでここまで奥行のある味わいが出せるって凄い!

 

3番目はMillesime 2003

同じ年のアヴィーズの2つの畑から半分ずつブドウをブレンドしたもの。ああ、この酸化したノーズ…いかにもセロス的。味わいは、低ドサージュと思えぬほど、甘さをはっきり感じる。砂糖を焦がしたようなニュアンスも。閉じていて固く、ボンボンを口に咥えているような後口。あまりに非典型的シャンパーニュ。

 

…と、何やらセロス氏がガラス棒を取り出し、プラスティックボトルの液体に棒先を漬けると、液体の雫をほんの一滴ずつ各人のグラスに垂らして行きます。

 

すると、摩訶不思議。液体を一滴垂らしたグラスから再び同じワインを口に含めば、キャンディーのように凝り固まっていた味わいが、すーっと拡がるではありませんか!!! 


で、液体の正体は??

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ジャック・セロスで謝られるの巻  その2 セラー・ツアー

<<前回はレザヴィゼで遭遇したセロス氏の素顔についてでした

 

楽しみにしていたセロス氏自身によるセラー・ツアーとテイスティングのはじまり、はじまり!

予想通り熱い人で、ツアーも非常にエネルギッシュかつかなり専門的。それもそのはず、出席者の面子は豪から来たワインメーカー、イタリア(だったかスペインだったか)のレストラン経営者、そして我々…つまり全員プロ。いや、この人、おそらく相手が誰であっても同じように熱く語るんだろうなぁ。テロワールとは、自然農法とは、自然なワイン醸造とは、みたいなことを語っている…

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ジャック・セロスで謝られるの巻  その1 レザヴィゼでの素顔

<<前回はシャンパーニュに持っていた偏見と回心についてでした

 

ま、そんな訳で避けて通っていたと言っていい産地でして…。

シャンパーニュってお高い産地で、生産者もお高くとまっていて、テクニカルな質問になぞきっと真面目に取り合ってくれないのではないか、とも危惧してたんですよ。

 

杞憂でした!!!

G氏夫妻の宿泊する、アンセルム・セロス氏経営のホテル”レザヴィゼ”に到着すると、レセプションのPCで何やら事務仕事をするセロス氏ご本人といきなりのご対面!! 

PCを叩いていても、鋏や携帯を握っていても、その手はまさしく農民の――ジャガイモのようにゴツゴツと丸っこい、節々の盛り上がった――手。

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ひえっ! またやらかしたぁ…

<<前回はピットナウアー受賞記事の〆でした

 

予告通り私は、9月29日から一週間ほど、駆け足でオーストリアのワインと食の価値を外側から客観的に見直す旅に出ることに。

 

ところが、取っていた乗継便チケットの後半部分が、出発前日の午後になっていきなりのキャンセル。スマホのSMSがピーンと鳴って、メッセージがそう告げています!

 

翌日現地で夕食を知人と取る約束をしていた私は、こういう時お約束で超パニクリます。

冷静に考えてみれば、キャンセル部分は特急電車を使うなり、間に合わなければ夕食はキャンセルしてもらうなり、幾らでも選択肢はあるのに、その時の私は「別の飛行機を何が何でも取って現地に入らねば」という考えに完璧に乗っ取られてしまうのです。

 

で、格安チケットサイトにて御乱心状態で取ってしまった飛行機が、往路9月29日出発ならぬ10月29日出発。そして帰りの現地発が10月4日ならぬ12月4日。特定部分に注意が固定されてしまう悲しい病を持つ私の目にはその時、"29"と"4"しか目に入らなかったのです!!! (普通の人には理解不能だろうなぁ…この感覚…)

 

始末の悪いことに、利用した格安チケットサイトはFlug24.deと兄弟サイトのFlug24.atというオールドイツ語サイト買う時はいとも簡単でも、クレームやキャンセル、払い戻し作業は困難を極めます。問い合わせフォームに辿り着く前にいやというほど独文でFAQを読まされ、ようやくヘルプデスクの電話番号を見つけても、問い合わせの電話料金が客持ちなのは勿論、1分1.8€だったかの手数料まで課金される仕組み…。

 

果たして私は帰国後4日を経た今も、メールで行ったキャンセル便の払い戻し方法と、誤って取ってしまったチケットの取り消し願いの、二つの重大な問い合わせの返事が貰えていません(泣)。

 

オーストリアワインに足りないモノを探す旅は、自分の頭の足りなさ加減を再認識するところから始まることとなりました。トホホ…

 

さあ、次回はどこからご報告できるでしょう?>>

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テルメンレギオン点描――今年のブドウの様子は?

どうもはっきりしない天気の多い今年。

昨日も朝は雨でしたが、陽の傾きかけた時間になると、気持ちのいい青空が広がっているではありませんか。

 

そうだ、久々に畑を見よう!

 

下宿から北方に5分ほど登ると、そこからグンポルツキアヒェンまで貫通する細道、言わばワイン街道の入口に達します。ここからバーデンの地元ワイナリー=ホイリゲの畑が連綿と繋がります。

 

はい、これが最初の畑。

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