アイゼンベアク再生なるか その3 パイオニアの憂鬱

<<このブログは前回の続きです

 

一年振りにウヴェ・シーファーを訪れたのは先月30日、折しもオーストリア中大雪に見舞われた日。ウィーンからアルプスの東端の山の中を通り抜ける長距離バスの車中、「ここまで暗く降りしきられちゃあ、雪景色も撮れやしない」と、ブルーになっていた。

昨年もガスりまくりでサパリの雄大な景色の写真が撮れなかったしかも、昼食に用意してくれたオールド・ヴィンテージがブショネだは、テイスティングしたワインがことごとく開かないは、おまけに抜栓したワインを一度に抱え持ち帰ったお蔭で肩を痛め、そこに五十肩が重なって今も酷いことになっているし…。「もしかして私、ウヴェと相性悪いのかしら?」とため息交じり。

 

実は私は昨年の訪問時以来、彼の心身の健康状態をとても心配していたのだ。

傑出したワインは、高額の看板キュヴェほどすぐに売り切れてしまうけれど、2010年はそもそも天候上売るワインが極少量。11年、12年も平年を下回る収穫量だった。そんな中、売ったワインの利益を愛するアイゼンベアクの畑の買収とコンディション改善につぎ込んで来た彼の焦燥が、言葉の端々に現れていた。

しかも彼の敵は天候だけではなかった。外国人地主を排除したいハンガリー政府、そしてどうやら最も堪えているらしいのが、ウヴェ最愛のアイゼンベアク一帯の銘醸畑(とそのポテンシャルを持つ空地やコンディションの悪い畑)の地主達や一帯の生産者達との軋轢であることが、毒を含んだ彼のボヤキから感じられた。

そこへ持って来て、20136月の雹で彼は所有畑のブドウの90%以上を失っている。

 

アイゼンベアクに近づくほどに強まる雪を眺めながら、いかにも病み上がり風情だった、痩せて目の落ち窪んだ昨年のウヴェを思い起し、私の胸には何か『不穏な予感』が生まれていた。

 

しかーし!

待ち合わせ場所のグロースペータースドーフのバス停で、奥さんとともに車を降りたウヴェの活き活きした目と、差し出す手から伝わる力強さに、私は瞬時にウヴェの健康&精神状態の良さを確信。極悪の天候とは裏腹に、気持ちは一気に晴れ渡った。

 

現地に入るまでは「サパリの雪景色写真撮影」への一縷の望みも捨て切れていなかったし、同畑に株仕立てで植えられた若木の成長具合も確認したいと思っていた。が、更に強くなる雪の勢いを見て畑回りは一切断念。前回とは逆に、ゆっくりテイスティングに時間をかけることにした。

 

そして最初のバレルサンプルの試飲途中から、私は目をむくこととなる。

 

そのバレル・テイスティングの様子は次回>>

続きを読む

ブログ再開! のご挨拶。

<<前回はこちら


ほぼ4か月にわたってブログをお休みしてしまいました。

…4か月って1/3年だよ、おいおい!

その間「なにか岩城がまたドジをやらかしていないか」「オーストリアワインの新しいニュースはないか」と、サイトを覗いてくれた皆さん! 大変申し訳ありません。

 

9月半ば、e-book執筆のための取材開始後まもなく被ったPCハックによる被害は、私のグローバル風来坊的ライフスタイル&数多くのパスワード管理が悪かったことが追い打ちをかけ、思いの外厄介なことになり、今もその後遺症から完璧には抜け出せずにいます。

 

さらに、昨年年初にUwe Schieferのワインを長時間抱え持ったために痛めた右肩は、丸一年を経た今も痛みは一向に治まらないばかりか、キーボードを叩き続けると肘にまで痛みが広がり、はては掌と小指が痺れるようになってしまいました。五十肩が原因の拘縮による肩周辺筋肉の衰えと併せ、書くという作業が本当に肉体的に辛い状況に追い込まれてしまったのです。

 

いやあ、参った…

 

そこへ持って来て、「誰がオーストリアワインの肩なんか持ってやっか! ばーろー」的イザコザも、現地に居つくと数知れず。

「タダであんな情報垂れ流してちゃダメよ」という悪魔の囁きも各方面からいただき… : )

著しくブログ更新へのモティヴェーションを落としまくっていたのです。

 

しかーし!

全然書かないと便秘するんですね。精神的に。

そんな訳で今日からおっかなびっくりリハビリ&ガス抜きを開始します。

 

溜まった毒を吐き出すぞぉ〜!

と、勇ましく、無責任に、脈絡なく言いたい放題させていただくことにしました。しかも肩の様子を見い見い省力モードで(苦笑)…

 

こうしてブログ再開のご挨拶をしておきながら、つまり「また見てね」とお願いをしておきながら、私の頭の中に今鳴り響いているのは、小泉今日子の「見逃してくれよ!」のリフレイン。ブレーキ利かない/ わがまま大好き/ やりたい放題 私を許して…ってね : )

 

…こんな辻褄の合わない戯けたブログではありますが、今後ともゆるゆるとお付き合いのほどを。当面お題の中心は、昨年秋以来訪れた進境著しい赤のトップ生産者のあれこれになる予定です。

 

次回をお楽しみに!>>

続きを読む