ピットナウアーちょこっと訪問…超多忙中を有難うございました!

今、オーストリアのブドウ畑は爆発中 : ) 大変なことになっています!

 

…というのも、今年は春が寒く、発芽は3週間ほど遅れていたのです。ところが4月下旬から5月中旬にかけて気温が急上昇。しかも結構雨が多く、ブドウはスクスクを通り越して驚異的な早さで成長。この1か月の間にほとんど成長の遅れを取り戻してしまいました!

生産者に電話をし、「畑の調子はどう?」と尋ねると、皆判を押したように「exploding!!!

という答えを返して来るのです : )。こういう、ブドウが爆発的に育っている状態というのは、…つまりとにかく何でも育ちまくるので、不必要な枝もどんどん出て来る、ということ。せっかく剪定で収量コントロールをしたのに、長梢より下から副梢は出るし、新芽から伸ばした結果枝にひとつの房がつけばいいのに、主要枝から副枝は出てくるは、ひとつの枝に3,4、5つも6つも房の元がついてしまうは…。

これをそのまま放置すると、最終的にブドウの熟度や凝縮度が不足する、ということもありますが、それ以前の問題として、枝葉がみっしりと密集してしまうため、病気を呼ぶ温床を作っているようなもの

 

ですから、開花前のこの時期にブドウの成長が促進される要素が重なると、除葉だの、誘引だの、グリーン・ハーヴェストだの…そうした立派な名前のついた作業の前に、不要な副枝をせっせ、せっせと落とす作業(作業の名称を問えばputzen=掃除、という答えが返って来ました : )が山のように発生する訳です。

 

そんな作業山積みの真最中にプリンセスの訪問をOKしてくれたのは、Gerhardゲアアルト&BrigitteブリギッテのPittnauerピットナウアー夫妻。プリンセスとしてはちょっと込み入った用件だったので、電話でなく直接会ってお話しがしたかっただけなのです。しかもウィーン中央駅から最寄り駅ゴルスまでは、直通電車に乗ってしまえば、キッカリ1時間の距離。軽い気持ちで訪問を打診してしまいました。

 

ところが、訪ねてみれば、ゲアハルトは本当に目が真っ赤で「疲労困憊の上にまだまだ今日、陽の高いうちにやっておきたい作業に追われているのに、私のために畑からわざわざ戻って来てくれた」という状況が一目見て痛いほど伝わって来ます。畑のお掃除作業の過酷さを見誤っていたことを、プリンセスは今更ながら痛感。それなのにブリギッテはいつものように抜群のお味の自家製ザルツシュタンゲアルを訪問時間に合わせて焼いてくれました。…ああ、つくづく恐縮…。

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五嶋みどりの無伴奏パルティータ@エーバーザール

プリンセス、ようやくウィーン住まいっぽく : )クラシック・コンサートづいています。

土曜の快活なイタリアン・バロックのその前夜。こちらに戻って最初のコンサートが、日本人ヴァイオリニスト、五嶋みどりのものだった、というのは何かのご縁でしょうか。

 

魔訶不思議なコンサートでした。

 

そもそも、会場のEhrbar Saal…神童としてカーネギー・ホールでデビューを果たし、10代で世界中の著名ホールで名指揮者との共演を果たした五嶋みどりの箱としては小さ過ぎませんか? 地味過ぎませんか? 料金も立見でもないのに、たった€14…。

 

実際に会場に行ってみれば、我々の席は入口のすぐ上の階のはずなのですが、ホール階上には楽器練習スタジオやら集会場、ミーティング・ルームなどが色々入っており、どこがバルコニー席の入口なのかもハッキリしない迷宮。名の通ったホールには必ずあるはずの、軽食やゼクト、ワイン、コーヒーを飲むような場所も皆無。ひとしきり階段を上下し迷った挙句、果たしてバルコニー階に足を踏み入れると…。チケットの座席番号もなんのその。あわよくば自分より前の空席に座ってしまおうと、争奪戦が繰り広げられています。

 

…客層悪し…。

 

椅子取り合戦も落ち着き、改めてホールをよく観察すれば…。随分古いホールですが、さすがは第一次大戦前には名ホールで鳴らし、アントン・ルービシュタインの名演やら、193438年に行われた「現代の音楽コンサート」などでも名を残す、かつての最先端音楽ムーヴメントの拠点らしい味わい深い意匠と、年月の積み重ねが醸し出す重厚な雰囲気ではあります。

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バロック音楽祭@メルク&久々のニコライホーフ訪問

バロック・ファンの皆さん、お待たせしました! 昨日土曜、ドナウ川のシュピッツ上流メルクで行われているバロック音楽祭“インターナショナル・バロックターゲ”に行って参りました。…って、別にファンでもなんでもない?

いえいえ、プリンセス4月の荻窪サンパでのお食事会で、お客様とレオンハルトやらアーノンクール、古楽器のあれこれで大いに盛り上がり(しかも皆さん、プリンセスなんかよりずっと詳しい!)味をしめてしまいました! オーストリアワイン好きには、実は隠れ古楽好きも沢山いるのだ、と(本当か? : )。

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シュピッツァーベアク・テイスティング その1

最近何かと話題のオーストリアの赤。新樽風味と厚いタンニンがガビガビの強く逞しいタイプとは全く別方向にある、ピノ好き日本人の嗜好にズバリと嵌るスタイル。

そんな動きの最先端を担う生産者の一人、ムア・ファン・デア・ニーポートの“シュピッツァーベアク テイスティング”が、13日の月曜、ドナウ運河に浮かぶお船のレストラン、Badeschiff am Donaukanalで行われました。

 

本題に入る前にこのレストランについて少しお話ししておくと、オーナーシェフはオーストリアのスター・シェフの一人、クリスティアン・ペッツ。この国を代表する所謂グランメゾンを渡り歩いたその後は、ぐっとカジュアルなこのお船のレストランをプロデュース。随所に彼の最高レベルの調理テクニックとセンスを光らせつつも、オーダーしてからのお待たせ時間23分、ひと皿€69で上がるそのお手軽さがウィーン子に受け、待ち合わせに、ビジネスランチに、こうしたイベントに…、ワインも充実しているので、その気になればリーズナブルでレベルの高いディナーに、と、なにかと重宝に使われている人気スポットです。

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怒れ日本人!!! その2 せっかくのお祭り気分が台無し…

▶この話は前回のブログの続編です。

 

金曜に散々な思いをしたプリンセス、土曜はご夫妻とともにヴァッハウのWeinfrühling(春のワイン祭り)へ。

 

ところで、読者の皆さんがもし初めてヴァッハウを訪ねるなら、レンタカーを運転する気がないなら、そして時間に余裕があるなら…、そこへ持って来て『晴天』という条件が重なるのなら、プリンセスは迷わずドナウ川をクレムスから船で遡ることをお勧めします。

観光コースと侮るなかれ日本人団体観光客はものの見事に一つ目の船着場デュルンシュタインで一挙に降りてしまいますし : )。ドナウ北岸に連なる銘醸畑をつまみに、船上でヴァッハウ&ドナウ沿岸のワインをあれこれオーダーできるのは、むしろワイン通向けの楽しみ、とも言えましょう。

 

クレムスの町外れにある船着き場に行ってみると、おお、すっかり様変わり! お洒落なカフェ・レストランまで併設されています。船を待つ間に軽食をつまみ、ビールで喉を潤してから乗船。こちらもピッカピッカに新しい船の窓から、右手に次々と現れる銘醸畑やら名所旧跡を追いつつ1時間ほど。船はシュピッツに到着します。

我々は夜のパーティーまで参加することを射程に入れ、午後遅い時間の船に乗り、4時過ぎにシュピッツに到着。シュピッツと言えばヒルツベルガーですが、今回は純粋なお楽しみ、ということで駅から近いGritschを訪ねたその帰り途でのこと。

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怒れ日本人!!! その1 注文していないワインを勝手に持って来られたら? 

ヴァッハウではヴァイン・フリューリンク(ワイン・スプリング)、ドナウ一帯ではトゥール・ドゥ・ヴァンが開催された週末前夜金曜の夜――つまり丁度一週間前――プリンセスはイタリア旅行の帰り途にウィーンに寄られたE夫妻とお食事をすることになっていました。

前回、あれは2年前。ウィーンでご夫妻と待ち合わせた際には、まだこちらへ来て日が浅かったこともあり、プリンセスはディナーの手配をする余裕すらなく、ウロウロした挙句ロクなものにありつけなかった苦い経験があるので、今回はしっかりと評判のレストランに予約を入れておきました。しかも、毎年のようにウィーンにお見えになるご夫妻が、お二人だけではなかなか行かれそうにないところ、…ということで、微妙に中心部を少しだけ外したドナウ運河を渡った向う側の2区、という技の細かさで万全の構え。

 

レストランはあまり色気のない街並みにひっそりと地味に佇んでいました。

――プリンセス、仰々しいのは好みではなく、この知る人ぞ知るという雰囲気は〇。

しかも、ドアを開け、中に通されると、いくつもの空間が繋がっていてかなり広い。それがまた、ほぼ満席に――ヂモティーらしきファミリーやらスマートカジュアルがお洒落に板についた知的自由業的雰囲気の人々等々――で埋まっています。

…おお、いかにも「美味しいモノを食べに来る店」という風情! 期待が膨らみます。

 

さて、最初に食前酒を尋ねられます。こちらのレストランではグラスワインは断りがなければボトル1/4が普通なので、お店のペースで食前酒、泡、白、赤、デザート、〆に食後酒と、一皿一皿ワインを合わせていると、3人で3本以上飲むような恰好となり、ベロベロになるのは目に見えています。そこで、夫妻にグラスで楽しむか、リストから現地でしか飲めないようなワインを12本オーダーしたいか、決断を促します。

 

迷っていると女性のサービススタッフはゲルバー・ムスカテラーを勧めてきます。しかし、ご夫妻の決断は後者に。そこでお店のお勧めを断り「ボトルでオーダーしたいから」、とワインリストを所望します。

 

戦いはここからはじまりました。

 

彼女、いつまで経ってもリストを持って来ません。

まあ、でもそういうことはよくあること。その間初老のメートルが食事のオーナーを取り、アミューズが来てもリストが来ないので、彼女に再度リストを催促。それでも来ないので、メートルにも更に催促。そしてようやくワインリストが渡されます。

おお、さすがウィーンのトップレストランのひとつ。ワインは充実しています。特にF.X. Pichlerがズラリ。必ずしもプリンセスいちのお気に入りという訳ではありませんが、オーストリアワイン好きなら涎の出るような…19992001の銘醸畑ものが€100前後。

勿論、買いでしょう。

ニタニタしながらリストを物色していると、今度はやけに早いタイミングで年の頃プリンセスとあまり変わらなそうなソムリエが現れ、ヘンテコな英語で「長いワインリストを読むのは、大変だよねぇ」と妙に馴れ馴れしく声をかけてきます。

「あー、放っといて! プリンセスにとってはリストからお宝を探すのは、お料理とワインを実際に楽しむのと同じくらい至福の時間なんだから。シッシッ!」…という言葉を飲み込み、ただ「いいえ。楽しんでいますから」とだけ返し、リストを読み続けます。すると「ワインなしにワインを選ぶのは難しいでしょ」と、ヤメックの11のリースリング フェーダーシュピールを注いでくれました。キリリと冷え白い花の風味も非常に爽快。うん、美味しい!

 

さて。喉も潤ったし、再びリストに没頭…はさせてくれませんでした。

ソムリエ氏:グリューナー それともリースリング? 或いはウィーン特産のゲミシュター・サッツ?

P:グリューナーでお願いします。

本来プリンセスはリースリング魔ですが、どうもこの店のリストにはあまりリースリングへの愛情を感じなかったからです。

S:それじゃあ、ここウィーンのサプライズなグリューナーを。

…と、ここでプリンセス、彼にはワイン選びを任さない方が賢明と判断。元々この店のリストがプリンセスの好み筋とは若干ズレていることは、既に予約時にネットで確認済みだったからです。

そして、選んだのは充実のF.X. PichlerからGV Kellerberg2001

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トゥール・ドゥ・ヴァンでお城ワイナリーへ

日本ではゴールデンウィーク終盤に当たる先週末、春を迎えたオーストリアの各産地でも様々なイベントが行われました。そしてプリンセスは昨年、一昨年同様お城ワイナリーで、Tour de Vinイベントのお手伝い。

 

独り立ちしてから2度目のお城ワイナリー訪問ですが、もう『自分のオウチ』ではなくなってしまったお城を訪ねるのは、とっても不思議な気分。こうしてよそ者としてゴーベルスブルクの駅に降り立つと…。本当にお伽の国のような愛らしい小さな町です。そして我がお城は歴史の重さとそれを潜り抜けて来たいぶし銀のような美しさをたたえています。

 

Tour de Vinトゥール・ドゥ・ヴァンは、Traditionsweingüterトラディツィオンスヴァインギューターに加盟する全ワイナリー(2013年は23ワイナリー)の全てが一般客に門戸を開放し、テイスティング他セラーや畑見学など様々な催しを繰り広げる、いわばドナウ一体のトップワイナリーの春の一大お祭りイベント。

プリンセス、いつも同様、2階の一番天井の高いイベント・サロンでブリュンドゥルマイヤーと合同で行うワイン・テイスティングのサービス役として登場。お城の顔としてお客様と接するのは、いつだって誇らしい気持ちです。

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プリンセスのへんてこクッキング

プリンセス、美味しいものは食べるの専門。作れません。

が、専用調理人のいたお城から独立し、貧乏なこともあり必要に迫られ現在自炊中。思えば20代後半から30代にかけての独り暮らしの間も、同じ理由で自炊をしていました。ゼロの調理テク&知識が肥大した想像力とオリジナリティーへの飽くなき渇望を受け止め切れずに迷走するのは、結局のところ楽器を持たせても、文章を書かせても同じ。素っ頓狂はプリンセスの生きる定め : ) ?

 

かつての傑作はと言えば、まず“バナット・コロッケ”。ひと塊10本で100円とかになっている、皮が真茶色で腐る直前のバナナをジャガイモに見立て、安売の納豆をひき肉に見立てて具にしたコロッケ : )。当時プリンセスは某大手食品会社のハウス・エージェンシーのフレッシュマン。で、実はこの作品、会社の料理コンクールに無理やり応募させられました。そして勿論、結果は先輩方の失笑を買っただけ。

 

もうひとつの脱力料理は“たま・ゴン・カレー”。肉屋で鶏ガラを10円とかで譲ってもらい、出汁を取って、安売りの玉ねぎを1時間以上弱火でひたすら炒め、水を張った鍋に移しインスタントのカレー・ルーを投入。続いてまたまた安売りでゲットしたタダ同然の卵を、丁度温泉卵状になるようなタイミングを見計らい、投入。

はい。具は卵だけ。その代わりゴロゴロ太っ腹に1ダース! 鶏ガラ出汁と炒めタマネギの威力で、これが実に本格的なお味。しかも黄味がトローっと溶け出すタイミングで食べることができれば…。うーん、トレビアン!

 

そしてウィーンのエスニック地区独り暮らしから生まれた目下の傑作はこれ。

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