ヒルシュのバックヴィンテージ・テイスティングを振り返る その4 業界向テイスティング 後編

セカンドフライトはカビの害の多かった08年のラム、そしてハイリゲンシュタインを09, 07で比較し、09についてはガイスベアクとも水平比較する、という趣向。

そしてサードフライドはラム06、ハイリゲンシュタイン03、ガイスベアク06、と何故か暖かい年のグレートヴィンテージと、酷暑の痕跡をリリース当初は酷評された年…と暖かい年ばかりのオールドヴィンテージ・フライトと相成りました。

 

こうして書くと「いかにも」そのように企画したかのように自然に聞こえますが、かき集めたワインから、なんとか筋道を立てるべく、畑毎にやろうか、品種毎に並べようか…、つまりミニ垂直を連ねるか、ミニ水平を連ねるか…と、ジグゾー・パズルのように前々日にフライトを組み立てたプリンセスの苦悩を、ここは偲んでいただきたい : )

 

驚いたのは、オーストリアマーケティング協会のサイトから拝借したヴィンテージ・チャートの画像を映し出した瞬間、あちこちで携帯カメラのシャッター音やフラッシュが炸裂したこと。実はプリンセス、このテのチャートがいかに実際のワインの品質や性質を反映しないかの見本として、使っていたのですが…

 

評価があてにならない実例を2つ挙げておきましょう。

点数低めの08は、確かにカビの害の多い、ブドウを育てるのが難しい年ではありましたが、選果をしっかりするワイナリーにかかれば、多めの雨によって根にたっぷりと取り込まれたミネラルが土壌個性をひと際よく映す、果実味よりミネラルの勝った、実に通人向けの味わいになっています。この日のGV ラム 08のように…。

プリンセスも含めたメディアが酷評した03にしても、実際リリース直後は熱苦しさの痕跡がありありで、どうしても好きになれなかったけれど、そして今でもリースリングとしては異例に酸がおだやかで、正直オーストリアン・リースリングの典型とは言えないけれど、10年を経てそれなりのいいバランスになっていました。不評の03をとっとと市場から引込め、昨年になってようやくリリースしたワイナリーの英知を称えたい、と思います。

 

最後に、その03年についてあと2点、記しておきたいことがあります。

ひとつは、03という年は、夏の猛暑とは一転、秋から晩秋の気温は近年で最も低く、初雪も最も早かった年だと言うことです。夏の高温に大慌てをして、フラッグシップのワインですら9月中に収穫を済ませるところが目立ちましたが、慌てふためき組は負け。プリンセスお気に入りのトップワイナリーは一様にじっくり収穫を待ち、現在議論は「初霜の直前に収穫した方が出来がいいか、霜を待った方が勝ちか」へと移っています。因みにヒルシュは前。ブリュンドゥルマイヤーは後。…うーん、どっちも10年を経た今まだまだ驚くほどエネルギッシュな素晴らしいワイン達です。 

そしてもうひとつはルーディ・ピヒラーがプリンセスに語った「それぞれのワインにはそれぞれに必要な時間というものがある」という言葉。 


ワインを愛する全ての皆さんに覚えておいていただきたい真実です。

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ヒルシュのバックヴィンテージ・テイスティングを振り返る その3 業界向セミナー前編

「鉄は熱いうちに…」とかなんとか言いながら、ヤボ用が重なりまくって、旧PC Think-Padは壊れて、新PC Ultrabookには弄ばれて…ヒルシュのテイスティングからもう2週間が経ってしまいました。

 

実はこのテイスティング、本来リースリングハイリゲンシュタインの垂直(02, 03, 06, 07, 09, 10, 11)に、0911の直近3ヴィンテージだけガイスベアクも絡める、という構成を予定していました。

ところが、会場のシノワにワインが納品された開催2日前になって、予定していたワインの半分余り「届いてない」ことが判明。過去のサンプルは勿論、輸入元エステートワインズの倉庫から社長&社員のプライヴェート・セラーまで探してもらってバックヴィンテージをかき集め、お越しいただく方々をガッカリさせぬよう、告知したバックヴィンテージというコンセプトとワインの総種類数だけは帳尻を合わせた、という実は冷や冷やもののテイスティング・セミナーとなっていました。

しかも、わざわざこの日のセミナーのためにハネスを訪ね、テイスティング予定のワインの各ヴィンテージと、各々のハイリゲンシュタインの特徴をこと細かに聞き出して来ていたのに…半分以上のワインが、品種が、ヴィンテージが違う…という、話をする側にとってもなんともやりにくーい状況。

 

にもかかわらず、セミナーを終えたプリンセスの気持ちは実に晴れ晴れしていました。理由は、ワインがそれぞれのヴィンテージと土壌や畑ごとの局地気候の特徴をよく映し出した素晴らしいものだったことに尽きます。


では、振り返ります。リストは下に添付しておきます。

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やるときはやる。それがハネス

昨年行われたチャリティーコンサートも「やるときはやる」ハネスの面目躍如
昨年行われたチャリティーコンサートも「やるときはやる」ハネスの面目躍如

いつもながらの期限を守れぬ駆け込み確定申告&Think-Padの絶不調に業を煮やしての新PC調達(Windows8に遊ばれっ放しで結局傷口を広げただけ?)のドタバタで、ブログを書く時間も頭も吹き飛んでしまったプリンセス…。ようやく久々の更新です。

 

さて、「スクリューキャップ」「オーストリア」とGoogleで検索すると、何故かオーストラリア関連の記事が引っかかってしまうくらい、豪やNZで普及率の高いスクリューキャップ。実はオールド・ワールドの中では、オーストリアでの使用率がおそらく最高でしょう(データは追えませんでした。済みません)。

 

ここで少しワインのストッパーについて軽く復習しておきましょう。天然コルクの代替が使用されるのには主に3つの理由があります。

1)良質な天然コルクのコストが高い、或いは入手しづらい

2)天然コルクの密閉度の個体差が大きい

3)コーキー=ブショネを避けられない

そして、オーストリアの高い普及率は、そのワインのスタイルと密接な関係があります。主流の辛口白ワインといえば、新樽風味なし、マロなし、頻繁なバトナージュによるバタリーな風味なし、ですから、粗悪なコルクによる酸化やブショネが必要以上に目立ち易い、ということ。

 

そして「それがいい」と決めたら徹底的にその啓蒙と普及に励むのがハネス流。

他のワイナリーの多く――例えば我がお城ワイナリーにしても――が、普及クラスからスクリューキャップを導入し、プレミアムクラスは、主に外観上の理由で依然天然コルクかヴィノロック(ガラスと樹脂を組み合わせたもの)を使っているのに対し、彼は2002年の導入時から、ラム、ハイリゲンシュタイン、ガイスベアクという3大看板ワインを含む全てのワインをスクリューキャップで打栓して来ました。

 

同様の潔さは、ビオディナミ認証を巡る買いブドウに対する態度にも端的に表れています。

ロイマー、オット、フリッチ、ヴィーニンガー、ピットナウス、A u. Hニットナウス、Gハインリッヒ、ゲゼルマン…といった同時期にビオに転換した面々が、持ち畑のブドウと買いブドウの処理経路を完全に分断したり、別会社で製造したり、という工夫で持ち畑のブドウからのワインの認証を守ろうとしたのに対し、ハネスだけは買いブドウも最低限100%有機を目標に、提携栽培農家探しや育成に力を注いで来ました。おそらく2013年ヴィンテージあたりから買いブドウも全て有機となるはずです。

 

そんなポジティヴ方向に真っ直ぐに突き進むエネルギーは、何よりも彼のワインに注ぎ込まれるとみえ、ハイリゲンシュタイン&ガイスベアク一帯に畑を持つカンプタールのトップワイナリーの中でも、生き生きとした陽性のエネルギー感と躍動美は、ヒルシュならではの魅力だと、プリンセスは常々思っています。

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ヒルシュ バック・ヴィンテージ・テイスティング レポート その1 父の代からの自然農法

さて、怒涛のイベントラッシュをどこから振り返りましょうか?

ここは「鉄は熱いうちに打て」ということで、先週14日に渋谷シノワで行われたヒルシュ バック・ヴィンテージ・テイスティングからご報告します。

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今日からヴィノローグとして生まれ変わります!

怒涛のロードを切り抜けたプリンセス。昨晩は帰国後初めて、旧友とプライヴェートの夕食を楽しみました。東京で、大阪で、名古屋で…様々なイベント、試飲会、セミナー、ディナーにご参加いただいた皆様と関係者の方々にお礼を申し上げたいと思います。

 

さて、予告通り、ご愛読いただいた“プリンセス・アラフィフのお城ワイナリー滞在記”は今日から“Vinologue ヴィノローグ”として新装開店。今後とも一層のご愛顧をよろしくお願い致します!

 

Vinologueは単なるブログではありません。

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ピットナウアー訪問記 エピローグ ゲアハルトの見出したテロワール

先月27日の晩から発症したインフルエンザもようやく平熱に落ち着き、後は咳と気管支炎が収まってくれるのを待つのみ。…怒涛のイベントラッシュにはギリギリセーフとなりますように。

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プリンセス絶体絶命…神様、どうかお助けを!

帰国当日は哀れなスタバ難民。
翌日はブログでもお知らせした通り、インポーターVortexさんの春の試飲会に参上したプリンセス。(その嬉しいご報告はまた別の機会に:)

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