美しき哉、ヒルツベルガー 2010 リースリング ジンガーリーデル!

<<前回はブログ中断の直接原因となったPCトラブルのお話でした

 

ふふ。本当に久しぶり――一年以上振り?――の更新です。

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ヒードラー訪問記――それぞれの自然派 その3.不健康なビオ : ) の実例お見せします

<<前回 その2はヒードラーの目に見えない技の数々についてでした

 

シェンケンビヒルとシュタインハウスの畑を見学し、坂を下りてランゲンロイスの町も近づいた辺り、最後の方の緩斜面の畑を横切ったときのこと。


Ludwig 「見えるかい? 葉っぱが黄色や茶色になっていたり、枯れているのも多いだろう? 僕の畑じゃないんだけれど、あそこはビオなんだ。ビオは頻繁にボルドー液を撒かなくてはならないからね。で、硫酸銅が太陽光で熱せられるとああいう風に火傷状態になるのさ。」

Yukari「ちょっと近くで見ていい?」と車を降りる。

近寄ってみればピノ・ブランのようだけれど、異様に房も実も小さく、しかも未熟な青色を残している。食べてみれば、色から想像されるほど酸っぱくはないものの、先につまみ食いしたシェンケンビヒルのGVには遠く及びもつかぬ糖度と香味の乏しさ…。

L「はは、昨日今日の強烈な日光ででなんとか糖度は上がったね。つい数日前まで全く酸っぱいだけだったんだけど。」

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ヒードラー訪問記――それぞれの自然派 その2.日に晒される房と陰になる房

<<前回 その1では実の中心部の温度が高くなると収穫を止めるお話しでした

 

本日のお題は畑巡り。


それにしても、ルードヴィック・ヒードラーほど楽しそうに畑を見せてくれる人もそうない。

土の様子、ブドウの生態、周囲に生える草花、飛び交う虫…頬をなでる風から忍び寄る雨雲…何から何まで、とにかく心底ブドウ畑とそれを取り巻く自然と触れ合うのが楽しくてたまらない、という様子で、子供の頃からの遊び場であった畑で、その長く親密な時の蓄積&抜きん出た好奇心と観察眼から得られた独自の見解やら栽培テクニックやら、を次々と披露してくれます。

 

「ゆかり、畑を見たいなら丸一日時間をとってくれないと」「ああ、こうやって畑に長居してると、またマリアに叱られちゃうね」…なんて調子で、いつも30分とか1時間の予定で畑に出るのですが、気が付くと2時間以上経っている、なんてことがザラにありました。

 

さて、この日は一昨年新たに購入した60年近い樹齢のグリューナーの畑"シェンケンビヒル"を「ちょっと見る」だけの予定でルードヴィックに同行。この間のエアステ・ラーゲン・プレゼンテーションでも光っていたグリューナ-の畑です!

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ヒードラー――それぞれの自然派 その1.  実の中心温度を考慮して収穫

<<前回はウヴェ・シーファーの収穫お手伝い募集告知でした

 

そういう訳で今オーストリアでは全土的に収穫が行われています。

収穫期には何かと様々な案件が重なり、アップが追いついていませんが、収穫の本格化する直前、18日の金曜にヒードラーをカンプタールはランゲンロイスの町外れまで訪れて来ましたので、今日はそのご報告。

 

そう、あの雨の多かった2014年に取り分けいい仕事をしていたと睨んだヒードラーです!

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シリア難民状況続報――で、自分の国は??

<<前回はゲヌースマイレの花形区間のご紹介でした


とにかく今オーストリアでは、家庭でも交通機関でもカフェでも(きっと学校でも会社でも)、フリュヒトリンゲン(=難民)の話題でもちきりです。

 

「ウチの娘の家のすぐ前に寝泊まりしているらしい」「あら、それはひどい」、「Welcomeと言っておいて、急にストップって、それはない。こんな小さな国、しかも既に移民で溢れかえっているオーストリアに押し付けるなんて」――みたいな、どちらかと言えば被害者目線の世間話が大半ですが、逆に支援行動を起こすよう促すメールが友人から送られて来たりもします。

 

なのに私は、街でその単語を耳に挟んでも、露骨に文句を言っていたり排斥を叫んでいればともかく、話がちょっと込み入ってくると、議論が見えない悲しいドイツ語力しか持ち合わせない…。ニュースを聞いても新聞を読んでも、どうも事態がちゃんと飲み込めた気がしません。

 

それで木曜日、用事があったついでに、多くの難民が寝泊まりしているというヴェストバーンホーフ(西駅:日本で言えばさしずめ新宿駅)に行ってみました。他の駅でも足りる用事だったのですが、モノを書く人間の卑しい性…、この目で事態を確かめたい、と思ったのです。

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ウィーンの森のワイン・イベント――ゲヌースマイレ最終日――ハイライトはやっぱりグンポルツキアヒェン!!

<<前回はシリア難民が続々と押し寄せるオーストリアの状況をご報告しました

 

さて、再びワイン・イベントに話を戻して、”ゲヌースマイレ”の最終回です。


このイベント、直線距離でも15km。かなり迂回もするし、だから本当に全部歩くと30-40kmになるのではないかなぁ…。途中大きく途切れたり、畑もシャンクも存在しない区間も存在するなど、長い長いコースを一日で歩き通す人はまずいないでしょう。

では一日しか参加できない場合はどこを攻めるか? …となれば、特に個人的御贔屓ワイナリーを訪ねるのでない限り、私はグンポルツキアヒェンからプファフシュテッテンに向かう区間をお勧めします。

1世紀遡ればオーストリアいち、いや欧州随一の白の銘醸地とも言われたグンポルツキアヒェンと、ブルゴーニュ同様ブドウを育てる僧侶の拠点でかつ、バーデンとグンポルツキアヒェンというホイリゲで有名な両村落に挟まれたプァフシュテッテン(ここも白の産地)。

ウィーンの森の中で最もレベルの高いワインを造るポテンシャルの斜面が舞台で、シャンクの集積度も最も高く、そこを訪ねる人出も圧倒的に多い、ぶっちぎりの花形区間です。

 

その見事な斜面を徒歩縦断しながらゆったりと飲み食いができるゲヌースマイレの醍醐味を、このブログを通して読者の皆さんと共有しちゃいましょう!

 

ではお約束の写真から。

<グンポルツキアヒェンの町から入ってプファフシュテッテンの目前まで行き、また町に引き返して来ました>

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シリア難民、続々とオーストリアへ

<<前回はゲヌースマイレ、2日目の模様でした

 

今日は本来、13日日曜日に参加した、ゲヌースマイレで最も人気の高いグンポルツキアヒェンからプァフシュテッテンへ抜ける(或は逆の)コースをご紹介しようと思っていたのですが、自分のやっていることがあまりに社会とかけ離れていることに違和感を覚え、テーマを変更してお送りします。とりとめなく長文になること、そして私の独語力ではどこまで事情が正確に理解できているか心もとないこと、等々お許しを。

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ウィーンの森のワインイベント”ゲヌースマイレ”参加報告 中編(バート・フェースラウ~バーデン)

<<前回はゲヌースマイレの9/6の様子でした

 

さて、昨日12日(土)も、予告通りゲヌースマイレに参加。今度は南端バート・フェースラウからソース、バーデンを経て、プァフシュテッテンの手前まで歩いてみました。

 

バーデンに1年半も住んでいながら、お隣りソースより南の畑を見たことがなかった私。丁度いい機会なので、わざわざ不便な、更に南のバート・フェースラウから入ってみたのですが…。

 

例によってまず連続写真で、昼の様子をご覧下さい!(写真をクリックすると説明がご覧いただけます。SDカードを忘れたのでiPhonカメラで失礼)

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ウィーンの森のワイン・イベント――ゲヌースマイレ参加報告写真日記 前編

<<前回は真面目なエアステ・ラーゲン・プレゼンテーションのクレムスタール編でした

 

打って変わって、今週の日曜には赤ちゃんからペットまで楽しめる:)、ウィーンの森の麓のブドウ畑を巡るお気楽イベント”ゲヌースマイレ”に参加して来ました。

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クレムス川上流超急斜面が凄い! エアステ・ラーゲン・プレゼンテーション報告  その3 クレムスタール編

<<前回はエアステ・ラーゲン・プレゼンテーションのカンプタール編でした

 

今日はクレムスタール編です。

御大ヴァッハウと、国際的に人気の高いワイナリーの多いカンプタールに挟まれて、クレムスタールってやや影が薄い…。超大手やら協同組合の印象が強いので意外にも思えますが、エアステ・ラーゲの数では実はカンプタールに大きく勝る。ダイナミックで多様な地勢と土壌を擁し、まだ日本に紹介されていない名ワイナリーも隠れていることもあり、プロや愛好家にもっと注目して欲しい産地です。

 

さて、エアステラーゲンの地図を改めてご覧いただきたいのですが、クレムスタールは大別して、

1.カンプタール西南部から続く深いレスの斜面、2.ヴァッハウから続く原成岩の急斜面、3.クレムス川上流の原成岩急斜面、4.土壌は多様なドナウ南岸の緩斜面、というかなりキャラの異なる4つの地域の合体で、そもそも土壌や地勢から一産地として括るのにはかなり無理のある産地。その分、14年の厳しい天候が、どの地域でどう影響したのか、踏み込んで考えるには最も興味深い産地である、とも言えます。

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厳しい年にいい仕事をしたのは誰? エアステ・ラーゲン・プレゼンテーション その2 カンプタール編

<<前回はエアステ・ラーゲン・プレゼンテーションのさわりでした

 

で、カンプタール、クレムスタール、トライゼンタール、ヴァーグラム、と順に62のエアステ・ラーゲンの畑(正確にはいくつかワインの出ていない畑もあったので、60弱だったと思いますが)の、様々な生産者のワインを黙々とテイスティングして行きました。

膨大な数なので、「目立って良かった、印象に残った」か、「この年の」「各畑の」或は「生産者の」個性が良くでている、か、逆に「この年にどうして?」と感じたものに絞ってお伝えします。(畑名はワインがグリューナーの場合緑リースリングは青で太字表示。☆印は特に素晴しかったワイン)

 

前提として、全国的に日照が足りず雨の多かった2014年ですが、その中でカンプタールは周辺に比べて多少晴天も多く、完熟したワインを造るチャンスは、他産地より若干多く与えられていました。

 

最初のワインはユルチッチのデシャント。レモニーで酸がピンと張り詰め、いい意味でいかにも2014年の味わい。ユルチッチはこれが一番いい出来だったかも。

 

暑く乾いた年でもいい汁気を出すガイスベアクのリースリングは、逆に温度のしっかり上がらなかったこの年にはちょっと線が細いか…。シュトラース側のガイスベアクでは☆ビアギット・アイヒンガーが焦点の合ったミネラルを感じさせてくれた。レンナーはガイスベアク同様冷たくやや平板な印象。

南西向きにレスが深く吹き溜まったようなグループは、この年明らかに不調。

 

16のワインがずらっと並んだハイリゲンシュタインの中で光っていたのは、アイヒンガー(コク、余韻の長さ)、ヒードラー(蜜のニュアンス)、☆ヒルシュ(テンション)。☆シュロース・ゴーベルスブルク(熟度、重量感、ストラクチャー)。

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エアステラーゲン・プレゼンテーション 2015 その1

<<前回は収穫直前のイベントラッシュについてでした


エアステラーゲン・プレゼンテーションも、これで何回目になるでしょうか?

 

1回目は2011年、お城ワイナリーの家族としてミッヒの奥さんエファの運転する車に乗って,

ゴーベルスブルクのお城からグラーフェネッグのお城までお城間移動:)。まだまだ「ここは何処?」状態で気もそぞろでした。

2度目の2012年、やはり家族の一員として参加し、前年自分が収穫したブドウがワインになって登場していることもあり周辺の地理も大方把握し、お爺ちゃんペーターにはエアステラーゲンの地質調査に協力したマリア・ハインリッヒ博士を紹介してもらうなど、俄然イベントが楽しくなってきました。暑い年でしたが夜の屋外コンサートが滅茶苦茶寒く、オーバーを引っ張り出して着ていたような。

3度目2013年はバーデンからはるばる訪れたのですが、最寄り駅からの交通手段のなさに困り果て、現場ではなんだか同窓会の如く挨拶ばかりしていて、テイスティングに全く集中できなかったのを覚えています。慣れとは恐ろしいものです:)。

昨年2014年は確かギックリ腰だかなんだかを起こし泣く泣く欠席。素晴らしい出来の13年を味わい損ね、痛く無念でした。

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4日はエアステラーゲン・プレゼンーション、今日はゲーヌースマイレ…収穫本格化前にイベント目白押し!!

<<前回はグラーツについてでした

 

オーストリアもこの夏は日本同様猛暑だったようで、熟度は申し分なさ過ぎるほど。ブルゲンラントでは既に収穫が始まっています。

最初のハーヴェスト・レポートも発表される中、各産地では収穫が本格化する前のイベントが続々!

 

そんな訳で私も今日はヴァーグラム、明日はグンポルツキアヒェン、しあさってはヴァインフィアテル…といった調子で、荷ほどきもそこそこにバタバタとあちこちを飛び回っています。

 

グラーツ周辺のお勧めのスポットやら、ワイナリーやら、エアステラーゲン・プレゼンテーションの様子やら、報告したいことは山ほどあるのですが、このイベント・ラッシュの中、いつブログ書いたらいいんでしょう…。でも頑張ってぽつぽつ書いて行きますので、お楽しみに!

 

尚、オーストリアの2015年は、これまで色々な生産者と話した限りでは、一部雹の被害が酷かった地域(特にヴァーグラム)を除いては、量・質ともに満足のいくものになりそうです。

酷暑だったため、アルコールが上がり過ぎたり、皮が厚くなったり、酸が低下したり、という危険性もあるのですが、もう暑い年への対処には慣れっこのヴィンツァー達。9月に入って気温もググンと下がっていますし、うまく切り抜けてくれることと思います。

 

温度が十分に下がったとは言え、ここ4,5日のぐずついた天候にちょっと気を揉んでいましたが(カビの問題がなくても、あまり雨が多いとブドウの実が破裂してしまうので)、今日は快晴!

 

これからテルメンレギオン名物、世界一長いシャンク(戸外立ち飲み屋台)の列がブドウ畑の中に連なる”ゲヌースマイレ”に行ってきます!! 初シュトゥルム(発酵中の果汁)かな?

 

次回はエアステラーゲンのプレゼンテーションで、2014年の優良畑の個性をご紹介>>

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ルーディー・ピヒラー 2013年 & 2014年(バレルサンプル) 試飲レポート――ヴァッハウ訪問番外編

 <<前回はトラクターに乗ってのゴキゲンな畑巡りの様子でした

 

今日のブログは一転ハードボイルドです:)。

 

ヴァイセンキアヒェンと言えば、アハライテンがフラッグシップの、今やオーストリアNo.1リースリング・プロデューサーの呼び声も高いルーディ・ピヒラーRudi Pichlerを忘れてはいけません

ただしワイナリーはヴァイセンキアヒェンの西側、ヨッヒングを超えてヴェーゼンドーフ村にあるので、ヴァインフリューリンクでヴァイセンキアヒェンを訪ねたついでに立ち寄る、という訳には(徒歩訪問の私の場合)行きませんでした。

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アンティーク・トラクターで畑巡り――これ最高! ワインフェスティヴァル・テルメンレギオン報告 その3

<<前回はヴァイセンキアヒェン訪問記でした

 

ヴァインフェスティヴァル・テルメンレギオン3日目のイベントは”リーデン・ヴァンデルング(畑巡り)”。

このアンティーク・トラクターの荷台に乗ってプァフステッテンの畑を巡る、というご機嫌な企画です。待ち合わせ場所はÖBBプファフシュテッテン駅。完璧一般人向けアトラクションに紛れ込んで:)みました。

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トゥルー・ヴァッハウ ヴァイセンキアヒェン ヴァインフリューリンク@ヴァッハウ報告 その6

<<前回はテルメンレギオン ヴァインフェスティヴァル@カジノ バーデン報告でした

 

再び舞台はヴァッハウに戻ります。

 

ヴァッハウ ヴァインフリューリングの2日目。私はほぼヴァイセンキアヒェン村の周辺をウロウロしていました。

この辺り中部ヴァッハウの中心地ヴァイセンキアヒェンは、気候的――パノニア気候の暖気の通り道であるドナウ川がクレムスから既に2回大きく蛇行することで、東側のロイベンやデュルンシュタインより一段と冷涼――にも、土壌的――附近を代表するオートクナイス主体のアハライテン、パラクナイスやアンフィボリット主体のクラウスの2つのリースリングの銘醸畑を持つ――にも、トゥルー・ヴァッハウ“と呼ぶにふさわしい場所だ、と私は思っている。

 

そして今回ヴァインフリューリンクでヴァイセンキアヒェンの町附近をのんびりウロついてみて、『風情的にも』という、とても大切な観点も付け加えたくなった。

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テルメンレギオンワイン祭報告 その1 今も愛されるウィーンの森のワイン

<<前回はホルツアプフェル訪問記でした

 

皆さん、下の写真の賑わいを見て下さい! この賑わいと熱気こそ、オーストリア本国におけるテルメンレギオン・ワインの絶大な人気を正しく映していると言えましょう。日本ではまだまだ知る人ぞ知る、って存在かも知れませんけれど。

 

どうやらメードリンクからバート・フェースラウ辺りまで、というのは、ウィーン子にとって、非常に郷愁をそそる、親密度の高いエリアらしい。位置づけとして江戸っ子にとっての湘南に当たると言えばいいのかなぁ。例えばバーデンやバート・フェースラウ等の温泉保養地は、鎌倉とか箱根とか湯河原の乗りなんだと思います。

そしてかつてテルメンレギオンのワインは”ウィーンの森のワイン”として、つまりウィーン子にとって「おらが森のワイン」として飲まれていたのです。実際第2次世界大戦前は今のメードリンクやグンポルツキアヒェンはウィーンの一部(幻の24区)でした(他方ウィーンの北側は、クロスターノイブルクがウィーンの一部だった一方、ドナウの川向うのフロリーツドーフ辺りは戦後にウィーンに組み入れられています)。

だから今でもウィーンの人々は、仕事帰りや週末に「おらが森」へドライブ、サイクリング、ハイキングなどに出かけ、ホイリゲでご当地ワインを飲むのが大好きです。観光地化されてしまったグリンツィング辺りより、むしろ「おらが」感は強いのかも知れません。

 

そんなウィーン子のシンパシーが一帯のホイリゲ人気の底にあり、そしてこのカジノの賑わいは、それぞれがご贔屓ホイリゲ(or ワイナリー)の14年の出来を一挙に確かめ、実際にこの後アプ・ホーフ(=セラー・ドア)で今年のワインを仕入れるための事前調査としての「楽しき真剣勝負」という訳です。

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ホルツアプフェル――歴史の醸し出す優美さ ヴァインフリューリンク@ヴァッハウ報告 その5

<<前回はバレンボイムとアーノンクールの場外乱闘話でした


シュピッツから再びWL1のバスに乗り込み、目指すはヨッヒングJoching

…ああそれなのに、ヴェーゼンドーフを出たバスが次に止まったのはヴァイセンキアヒェン。ちょっとお願いですから、せめてヴァインフリューリンクの時くらい、各村に止まって下さいよ!!

 

…ということで、既に最初のワイナリー”ホルツアプフェル”とのアポがあった手前、先にヴァイセンキアヒェン町中のワイナリーを訪問する訳にも行かず、またしてもテクテク町外れまで歩くことに。

まあでも、優れもののiPhoneアプリ myWachau”で畑の位置を確認したり、町の様子を覗き見しながらの寄り道も、雨に祟られなければ悪くはありません。

 

見えてきました! さすがはかつてSt ペルテンのコアヘレンシュティフト修道院が所有したプランドタウアーホーフを引き継ぐワイナリー。愛らしくも品格溢れる建物は、あのメルクの修道院も建築したプランドタウアーが1692年に建てたものだそうで、その姿を今もこんなに美しく留めています。やっぱり本物は美しいです…というか、遠くからでも、そして訪問するまでその建物の由来を全く知らなかった私にも「この建物はちょっと特別よ」と、訴えかけてくる「何か」があります。

 

2年間お世話になったシュロス・ゴーベルスブルクのミッヒもそうですが、ここの当主カール・ホルツアプフェル氏も、とても穏やかで品のいい方。実際にホルツアプフェル家が修道院と家系的繋がりがあるかどうかは別問題とし(モースブルッガー家もツヴェッテルとは家系的には無縁)、こういうセッティングに長く身を置いていると、日々こうした文化遺産を実際に使いながら暮らしていると、モノを丁寧に慈しむ姿勢というものが自然に身に着きます。そしてそれはワインの個性にも自ずと顕れます

何かの試飲会で、ヴァッハウには珍しい自然農法を試行している…といったことを耳にしていたように思い、その進展が知りたくて訪ねてみたのですが、それは私の勘違いで、除草剤は一切撒かないけれど、無農薬ではなく統合農法だ、とのこと。

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バレンボイム vs アーノンクール、場外乱闘?:)

<<前回はヴァッハウのホープ、ヨーハン・ドナバウム訪問記でした

 

行って参りました! サンタさんのお蔭で久々に着席でのムジークフェライン! 左サイド28列目6

左側中央の大扉から入って後方にズズイと進んだ、床が少し高くなり始める辺り。「あら、お高い割に後ろなのね」なんてバチ当りなことを思いつつ席に着くも、演奏が始まって感嘆。 

中央ブロックとの通路が右手にある端の席なので、演奏者まで視界が気持ちよく抜けています。しかも目線を上に上げることなく、角度的にも高さ的にも自然な姿勢で手の動きが見える!!!

58.50という中途半端な値段(サイト上にそんな価格はなかった)といい、この実にピンポイントに考え抜かれた位置取りといい…「ああ、ピアノの時はここが定席、な年季の入った楽友協会会員だったのね、あのサンタさん」と、思い至りました。

 

ちょっと人の引いた休憩時間に、私がピアニストの手許とペダル捌きの見える位置を確認しながら「しめしめ」と場所取りする様を、サンタさんはきっと見ていたのですね:)。

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ヨーハン・ドナバウム訪問記 ヴァインフリューリンク@ヴァッハウ その4

<<前回は心温まるウィーンも捨ててもんじゃないエピソードでした

 

話題はヴァインフリューリンク@ヴァッハウに戻ります。

 

シュピッツァー・バッハを下りきった辺りに控えるのが、16世紀からこの地に続く歴史あるワイナリー、ヨーハン・ドナバウム。

あ、そうそうシュピッツにはドナバウムとグリッチがうようよしているので、ちゃあんとファースト・ネームも確認してからお出かけ下さい。苗字が同じでもワインのレベルやスタイルは大違いだったりします:)。

 

さて、J・ドナバウムはもうずーっと気になっていたんです。Vie Vinumでもヴィネア・ヴァッハウが催す様々なテイスティングでも、常にトップクラスのすぐ下、くらいの位置に私的にはつけていたもので。


さて、どんな2014年を造ってくれているんでしょう?

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