ウィーンの森のワイン・イベント――ゲヌースマイレ参加報告写真日記 前編

<<前回は真面目なエアステ・ラーゲン・プレゼンテーションのクレムスタール編でした

 

打って変わって、今週の日曜には赤ちゃんからペットまで楽しめる:)、ウィーンの森の麓のブドウ畑を巡るお気楽イベント”ゲヌースマイレ”に参加して来ました。

続きを読む

新DACは話題のヴィーナー・ゲミシュター・サッツ!

8月19日に誕生したオーストリアの最新DACは、日本でも人気抜群のヴィーナー・ゲミシュター・サッツ。

 

…その規定によりますと;

ヴィーナー・ゲミシュター・サッツの新規定は少なくとも3つの白の高品質ブドウ品種がひとつのウィーンの畑に混植され、ブドウ畑登録にヴィーナー・ゲミシュター・サッツとして登記されなければならないと定めている。ワインに使用されるブドウは、いかなる単一品種も50%のシェアを超えてはならず、3つ目の品種のシェアが少なくとも10%なければならない。また、ラベルに表示されるアルコール含有料は12.5%を超えてはならない。ワインは辛口ではっきり認知される樽のニュアンスがあってはならない。


ウィーンを代表するワインがGemischter Satzであることにはプリンセス、微塵の異議もありません。

 

しかーし!

 

>少なくとも3つの品種、ってちょっとあまりにも手ぬるくありません??


いかなる単一品種も50%のシェアを超えてはならず

ということは、逆に言えば半分グリューナーでも、半分ミュラー=トゥルガウやゼームリンクみたいなお邪魔虫にされがちな品種でも、ソーヴィニヨン・ブランやゲルバー・ムスカテラー、トラミーナーみたいなアロマティックな品種が半分占めていてもヴィーナー・ゲミシュター・サッツな訳ね??

 

で、もっと不思議なのが

>3つ目の品種のシェアが少なくとも10%なければならない

って、これ、本当に10品種以上混植しているような、例えばヴィーニンガーのGS Nussbergみたいな正統派のゲミシュター・サッツの場合、3つ目が10%以上にならないことだってあっても、品質や正当性の妨げにはちっともなりませんよね??? 

まあ、2品種で9割り以上占めたりしたらそもそもお話にならない、っていうのは判りますが…なんだか話のレベルが低くございませんこと?

 

グリューナー50%、シャルドネ30%、ソーヴィニヨン・ブラン20%、みたいなヴィーナー・ゲミシュター・サッツって有りですかぁ? 

グリューナーをミュラー=トゥルガウに代えると更に許し難いし、ソーヴィニヨン・ブラン40%、シャルドネ30%、ユービロイム30%なんて組み合わせも相当気持ち悪い…

 

更によくよく考えると狐につままれた気分になるのが

>ひとつの(originalは”in einem Wiener Weingarten”, "one vineyard in Vienna")ウィーンの畑に混植され

の記述。『ひとつ』って、どのくらいの広さまでひとつと認められるんでしょうか。上級クラス、つまりヴィーナー・ゲミシュター・サッツより更に狭い畑の範囲である"ヌースベアク"ですら、グロースラーゲであって単一畑ではありません。ましてやよりベーシックで大量に生産されるヴィーナー・ゲミシュター・サッツが『ひとつの畑から同時に収穫される』って、常識的に考えてプリンセスには信じ難いのですが…。

これって実際にはウィーンのどこにある畑でもヴィーナー・ゲミシュター・サッツの畑として登記さえしておけば、ウィーンの畑皆兄弟、我々ウィーンの単一の畑、って扱いになる、ってことですかね、きっと : )  それとも”One vineyard”は、ウィーンに「或る」畑、と解釈すべきなんでしょうか?

 

そして更に「騙された」気分になるのは規定のどこを見ても「一度に収穫して混醸」の言葉が見当たらないことです。別々に醸造したバッチをブレンドすることを禁ずる文言もありません。

 

…ってことは、3品種のブレンドをヴィーナー・ゲミシュターサッツと呼んでも法には触れないのか???

 

Hajszan Neumannハイシャン・ノイマンのStefan Hajszanシュテファン・ハイシャンによれば、ゲミシュター・サッツがミシュヴァイン(混ぜこじゃワイン=蔑称)と呼ばれていた2000年代初頭までは、多くのゲミシュターサッツがヴァインフィアテル産のバルクのグリューナーとブレンドされ、当時人気絶頂品種だったグリューナーとして世に出ていた、とか。

…となれば、一転、現在のようなゲミシュター・サッツ人気になると、少し前グリューナーとして、或いはシャルドネやミュラー・トゥルガウとして売られていたワインがゲミシュター・サッツに変身して市場に出る可能性も高い、ということ?

 

なんだかこの規定は、それをやりやすくしている側面があると勘ぐってしまうのは、ここオーストリアで何かと世知辛い思いをしているプリセスだけでしょうか…。

お城ワイナリーの御爺ちゃんペーターも「Ugh、ヴィエニーゼ! 政治的策略の天才ヴィエニーゼ…」って溜息ついていたしなぁ…。

 

※ 余談ですが別項に「ヴィーナー・ゲミシュター・サッツDACは単一畑名呼称で販売することもできる。この場合アルコール含有量は最低12.5%で、ラベル表示されねばならない。ワインは“辛口”のテイスティング特性に合致する必要はなく、収穫翌年の3月1日より前にリリースすることはできない。」とあるのですが、果たしてヌースベアクはこの場合単一畑名扱いになるのでしょうか…? それともあくまでローゼンガートゥルやヴァイスライテンみたいな本当の単一畑ものだけが畑名ワインで、ヌースベアクはヴィーナー・ゲミシュターサッツに過ぎないのでしょうか。

プリンセスとしては畑名もですが、アルテレーベンの樹齢規定をしっかりして欲しいところでした。

 

色々突っ込みたくなる箇所満載なヴィーナー・ゲミシュター・サッツDAC規定。

…信頼のおける生産者のものを自己責任で選びなさい、ってことですね : )

 
続きを読む

2011年は柔和さが魅力の、若く飲んで美味しい年

実は月曜にシノワで行われたお食事会報告をしようと思っていたのですが、アップ直前に2度文章が忽然と消える、という事態に直面し、やる気を失ったプリンセス。

 

そんな訳で発見だけを箇条書きで書き留めておきます。ヴィンテージ表記のないワインは全て2011年です。

続きを読む

鮓ネタ傾向別ベストパートナーを探そう@銀座壮石 その2

シャブリ (Chiblisienne)vs ゲミシュター・サッツ(Mayer am Pfarrplatz)の意外な展開のお話でした。

 

まず、同系列と思っていた2種のワインが、思っていたほど「似ていない」ことに改めてビックリ。カリカリしたミネラルは圧倒的にゲミシュター・サッツの方が多い。一方のシャブリは、ミネラル感より柑橘系の風味が豊か。因みにこのシャブリ、酒販問屋Iさんに「一番よく出る」ワインをリクエストしました。うーむ、とにかくこの柑橘風味はシャブリに限らず受けがいいらしい…。

余談ながら、グリューナーでもやたらこの香りの強いワインが日本のプロには人気で、プリンセスは愕然としたことがあります。え? 何故愕然とするんですか、って? …この柑橘風味は、テロワール由来でも、おそらくブドウ品種由来ですらない、醸造過程で生成された第二アロマ(酵母や低い発酵温度で強調される香り)のはず…、だからです。

シャキっとしたミネラル感と、何より「その土地らしさ」を愛するプリンセスとしては、圧倒的にワイン単体としてはゲミシュター・サッツの方が好みでした。

ところがサヨリと鯛を食してみれば、どちらの白身もプリンセスの注文通り実に繊細で口当たりも滑らかシャブリの緻密で滑らかなテクスチャーがぴったりと寄り添います。対するゲミシュター・サッツのミネラルは思ったより「ワイルド」で、カリカリのミネラル感はテクスチャー的に上品な刺身とはいまいちシックリ来ません。

これは驚きでした!

ゲミシュター・サッツは粗塩を振っただけで焼いた川魚や地鶏などと豪快に飲み食いした方がいいワインだと、この時心底から納得しました。そう言えばウィーンっ子ってホイリゲでガッツリ食べてるもんなぁ…。

ただし、ゲミシュター・サッツというのは面白いワインで、ベーシックな方からWiener Gemischter SatzNussbuerg(グロースラーゲ)→単一畑、と格を上げれば上げるほど、重量感より軽やかさが増すのが本来の姿。次回繊細なネタに合わせる際には、日本上陸間もないHajszan Neumannハイシャン・ノイマンの、未輸入の北西向き単一畑Weissleitenヴァイスライテンを合わせてみよう、などと妄想を膨らませるプリンセスでありました: )。

続きを読む

やっぱりゲミシュター・サッツは軽やかでなくっちゃ!

久々に都ウィーンに上って参りました。

続きを読む