美しき哉、ヒルツベルガー 2010 リースリング ジンガーリーデル!

<<前回はブログ中断の直接原因となったPCトラブルのお話でした

 

ふふ。本当に久しぶり――一年以上振り?――の更新です。

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ヒードラー訪問記――それぞれの自然派 その2.日に晒される房と陰になる房

<<前回 その1では実の中心部の温度が高くなると収穫を止めるお話しでした

 

本日のお題は畑巡り。


それにしても、ルードヴィック・ヒードラーほど楽しそうに畑を見せてくれる人もそうない。

土の様子、ブドウの生態、周囲に生える草花、飛び交う虫…頬をなでる風から忍び寄る雨雲…何から何まで、とにかく心底ブドウ畑とそれを取り巻く自然と触れ合うのが楽しくてたまらない、という様子で、子供の頃からの遊び場であった畑で、その長く親密な時の蓄積&抜きん出た好奇心と観察眼から得られた独自の見解やら栽培テクニックやら、を次々と披露してくれます。

 

「ゆかり、畑を見たいなら丸一日時間をとってくれないと」「ああ、こうやって畑に長居してると、またマリアに叱られちゃうね」…なんて調子で、いつも30分とか1時間の予定で畑に出るのですが、気が付くと2時間以上経っている、なんてことがザラにありました。

 

さて、この日は一昨年新たに購入した60年近い樹齢のグリューナーの畑"シェンケンビヒル"を「ちょっと見る」だけの予定でルードヴィックに同行。この間のエアステ・ラーゲン・プレゼンテーションでも光っていたグリューナ-の畑です!

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ウィーンの森のワイン・イベント――ゲヌースマイレ最終日――ハイライトはやっぱりグンポルツキアヒェン!!

<<前回はシリア難民が続々と押し寄せるオーストリアの状況をご報告しました

 

さて、再びワイン・イベントに話を戻して、”ゲヌースマイレ”の最終回です。


このイベント、直線距離でも15km。かなり迂回もするし、だから本当に全部歩くと30-40kmになるのではないかなぁ…。途中大きく途切れたり、畑もシャンクも存在しない区間も存在するなど、長い長いコースを一日で歩き通す人はまずいないでしょう。

では一日しか参加できない場合はどこを攻めるか? …となれば、特に個人的御贔屓ワイナリーを訪ねるのでない限り、私はグンポルツキアヒェンからプファフシュテッテンに向かう区間をお勧めします。

1世紀遡ればオーストリアいち、いや欧州随一の白の銘醸地とも言われたグンポルツキアヒェンと、ブルゴーニュ同様ブドウを育てる僧侶の拠点でかつ、バーデンとグンポルツキアヒェンというホイリゲで有名な両村落に挟まれたプァフシュテッテン(ここも白の産地)。

ウィーンの森の中で最もレベルの高いワインを造るポテンシャルの斜面が舞台で、シャンクの集積度も最も高く、そこを訪ねる人出も圧倒的に多い、ぶっちぎりの花形区間です。

 

その見事な斜面を徒歩縦断しながらゆったりと飲み食いができるゲヌースマイレの醍醐味を、このブログを通して読者の皆さんと共有しちゃいましょう!

 

ではお約束の写真から。

<グンポルツキアヒェンの町から入ってプファフシュテッテンの目前まで行き、また町に引き返して来ました>

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ウィーンの森のワイン・イベント――ゲヌースマイレ参加報告写真日記 前編

<<前回は真面目なエアステ・ラーゲン・プレゼンテーションのクレムスタール編でした

 

打って変わって、今週の日曜には赤ちゃんからペットまで楽しめる:)、ウィーンの森の麓のブドウ畑を巡るお気楽イベント”ゲヌースマイレ”に参加して来ました。

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クレムス川上流超急斜面が凄い! エアステ・ラーゲン・プレゼンテーション報告  その3 クレムスタール編

<<前回はエアステ・ラーゲン・プレゼンテーションのカンプタール編でした

 

今日はクレムスタール編です。

御大ヴァッハウと、国際的に人気の高いワイナリーの多いカンプタールに挟まれて、クレムスタールってやや影が薄い…。超大手やら協同組合の印象が強いので意外にも思えますが、エアステ・ラーゲの数では実はカンプタールに大きく勝る。ダイナミックで多様な地勢と土壌を擁し、まだ日本に紹介されていない名ワイナリーも隠れていることもあり、プロや愛好家にもっと注目して欲しい産地です。

 

さて、エアステラーゲンの地図を改めてご覧いただきたいのですが、クレムスタールは大別して、

1.カンプタール西南部から続く深いレスの斜面、2.ヴァッハウから続く原成岩の急斜面、3.クレムス川上流の原成岩急斜面、4.土壌は多様なドナウ南岸の緩斜面、というかなりキャラの異なる4つの地域の合体で、そもそも土壌や地勢から一産地として括るのにはかなり無理のある産地。その分、14年の厳しい天候が、どの地域でどう影響したのか、踏み込んで考えるには最も興味深い産地である、とも言えます。

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厳しい年にいい仕事をしたのは誰? エアステ・ラーゲン・プレゼンテーション その2 カンプタール編

<<前回はエアステ・ラーゲン・プレゼンテーションのさわりでした

 

で、カンプタール、クレムスタール、トライゼンタール、ヴァーグラム、と順に62のエアステ・ラーゲンの畑(正確にはいくつかワインの出ていない畑もあったので、60弱だったと思いますが)の、様々な生産者のワインを黙々とテイスティングして行きました。

膨大な数なので、「目立って良かった、印象に残った」か、「この年の」「各畑の」或は「生産者の」個性が良くでている、か、逆に「この年にどうして?」と感じたものに絞ってお伝えします。(畑名はワインがグリューナーの場合緑リースリングは青で太字表示。☆印は特に素晴しかったワイン)

 

前提として、全国的に日照が足りず雨の多かった2014年ですが、その中でカンプタールは周辺に比べて多少晴天も多く、完熟したワインを造るチャンスは、他産地より若干多く与えられていました。

 

最初のワインはユルチッチのデシャント。レモニーで酸がピンと張り詰め、いい意味でいかにも2014年の味わい。ユルチッチはこれが一番いい出来だったかも。

 

暑く乾いた年でもいい汁気を出すガイスベアクのリースリングは、逆に温度のしっかり上がらなかったこの年にはちょっと線が細いか…。シュトラース側のガイスベアクでは☆ビアギット・アイヒンガーが焦点の合ったミネラルを感じさせてくれた。レンナーはガイスベアク同様冷たくやや平板な印象。

南西向きにレスが深く吹き溜まったようなグループは、この年明らかに不調。

 

16のワインがずらっと並んだハイリゲンシュタインの中で光っていたのは、アイヒンガー(コク、余韻の長さ)、ヒードラー(蜜のニュアンス)、☆ヒルシュ(テンション)。☆シュロース・ゴーベルスブルク(熟度、重量感、ストラクチャー)。

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久々の"ここは何処でしょう?”

<<前回はフィネス&エレガンス&バランスが秀逸なDuetzのお話でした

 

さて、久々の”何処でしょう?”シリーズ。

下の写真の大瓶をご覧ください。とある博物館に展示されていたワインの瓶。

伝統的2リットル瓶に貼られたラベルには"ローター(赤)・ツィアファーンラーRoter Zierfahnler"とあります。
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夏の帰国時イベント

<<前回は帰りの便で巻き込まれたトラブルあれこれ、のお話でした

 

改めて、ただいま〜! ワイン破損のショックと思いきや、どうやら風邪をもらって来た模様。

 

さて、帰国中に皆さんとお目にかかれそうな予定を、決まっているものからまとめておきます。例によって青字は業界限定です。

業界の皆さんとも、ワイン愛好家の皆さんとも、私的友人達とも、再会を楽しみにしています!

  

オーストリアワイン最新動向

日時:     8月2日(土) 18:30~

場所:     西麻布 provinage 

料金:     15,000円 (税、サービス料込)

定員:             8名(主催者1名を含む) 
申込受付:    コーディネイトを手伝ってくれている木村さんまで

概要:     

オーストリアワインの聖地”provinage"でお送りする、オーストリアの今についてお伝えするお食事会。ボトリングしたてのUwe Schiefer Szapary 2012の手持ち帰り、オーストリアの食文化やワインのトレンド vs オーセンティシティを伝える品々等、岩城私蔵のオーストリアを中心に、プロアマ問わず、オーストリアが大好きな方々と共に味わいたいと思います。

 

今、改めてヴァッハウ

日時:     8月4日(月) 19:00~

場所:     シノワ 渋谷店 http://www.chinois.jp/shibuya.html

料金:     13,800円 

定員:             11名 (主催者含む)
申込受付:    お店 tel 03-5457-2412まで

概要:     

「オーストリアは高い、特にヴァッハウは…」と思っている人が多いのでは? 論より証拠。ヴァッハウの東端から西端まで、代表的な気候&土壌のワインを味わってみましょう。オーストリア随一の産地としての魅力は勿論、それ故の保守性など問題点まで、スライドや収穫体験談なども含めてお楽しみいただきます。ほぼ現地でしか入手できないクノルのTBA(しかもトラミナー!)など非常に珍しいワインも、私蔵ライブラリーよりお出しします!

 

涼を呼ぶ夏のネタとオーストリアワイン 

日時:     8月7日(木) 19:30~

場所:     鮓 銀座 壮石 http://www.nishitani-sushi.com/

料金:     13,000円 

定員:             20名 
申込受付:    お店 tel 03-6228-4659まで

概要:     

蒸し暑いからこそ涼を演出するのが得意な日本人。「涼感」にこだわった鮓ネタとお料理に、元々涼しさが売りのオーストリアワインを合わせて楽しみます。特に今回はネタとワインの温度感やテクスチャー&ストラクチャーの相性にまで踏み込みつつ、オーストリアの夏のワイン風物詩や最新トレンドのご紹介も盛り込んで、暑気払いしたいと思っています。

詳細はこちらをご覧下さい。

 

Sommer Spritzer ゾンマー・シュプリッツァー オーストリアワインで弾ける午後

日時:     8月9日(土) 15:00~

場所:     table a day. 

https://www.facebook.com/pages/table-a-day/634286290001799

料金:     未定 

定員:             未定
お問合せ&申込受付:    a day.逗子店 tel 046-871-8171

概要:     

逗子&代々木でおなじみのワイン・ショップ a day.が横浜仲町台に3店目を開店。料理家高谷華子さんのお料理とともにワインが味わえるファン待望の新業態で、その名もtable a day.。開店イベントの一環として、今回はオーストリア・ワイン文化のカジュアルな一面にフォーカス。多彩な泡を中心に、赤のホープ生産者や貴腐に合わせた、ホイリゲやカフェの定番スナック料理を、table a day.アレンジにてお楽しみいただける予定です。

 

<<<滞在後半予告>>>

 

「今見逃せない」ワイナリーご紹介テイスティング

日時:     8月18日(月) 14:00~17:00

場所:     アルルの食堂urura https://www.facebook.com/arurunourura

料金:     無料 

定員:             12名 
申込受付:    岩城までemailにて先着順 ※facebookのgoingでは正式受付とはなりませんのでご注意下さい。

定員:     1次締切8月8日。最終締切8月17日。

概要:     

日本市場進出&定着を希望する有望生産者3つ x 各2種のワインをご紹介する業界限定ミニ・テイスティング。手持ち帰り主体のため、ワインは各1本のご用意となりますので、参加希望される方は、、8月8日までにメールで岩城までご連絡下さい。申込状況により、8月10日以降、一般愛好家の方の参加も受け付けます(ウェイティング可)。

 

予定ワイナリー; 

※ワインは諸事情により予告なく変更する場合があることをご了承下さい。

Karl Schnabel@Steiermark 

07年以来、天候やコンディションに関わらず、亜硫酸完全無添加を貫いて来た、オーストリアとしては異色のワイナリー。独特の石英土壌が生むBlaufränkisch & Chardonnayを。

Muhr van der Niepoort@Carnuntum

アソートが変わりました! ボトリングほやほやのSamt & Seide(velvet & silk) 2012は残念ながら機内破損しましたが、現行ヴィンテージBlaufränkisch  Carnuntum 09と11を比較試飲。

Rosi Schuster@Leithaberg

アソートの変わった2012は秋以降のご紹介とし、今回は現行ワインSankt Laurent Burgenland 10の美味しさを再確認。過去のスタイルで生産された2ワイン―Blaufränkisch Burgenland 08, Blaufränkisch Rusterberg 08―と比較し、彼のスタイルの変遷を辿ります。


次回へ>>

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ウヴェ・シーファー20周年イベント vol.3 美味し過ぎてワインが残せない…

※愛用カメラのオートフォーカスが効かなくなってしまいました。当分ピンボケお許し下さい。

 

<<前回はウェルカムドリンクのウフードラーのお話でした

 

メニューを見て驚愕! ウェルカムドリンクと合わせて24種のワイン…。各100mlとしても2.4ℓですから、半分は捨てないと立って帰れないことは明白です。

 

ああ、それなのに最初からシェフの才気を感じさせる素晴らしいお料理! ワインがすすんでしまいますぅ…

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余裕だよなぁ…グンポルツキアヘェン 後篇

さて、お祭りの様子をお伝えしておきましょう。

▶このブログは昨日の続きです

お祭り通り両端出入口とほぼ真ん中の3カ所ににしつらえられた食べ物屋台から、グリルヒューナー(ローストチキン)やら、バックヘンデル(≒チキンカツ)やら、シュヴァインハクセ(≒骨付きグリル豚:ここでは違う名前がついていましたがそれは失念)やらを注文し、サラダやらポテト料理やらもお好みで調達。皆思い思いにお気に入りのワイナリーの前の飲食スペースに陣取って、思い思いのワインやらボウレ(果実入りワインパンチみたいなもの:ここでもワインの高い酸が味わいの決め手)やら、町自慢のコンディトライ(お菓子屋)のスイーツなどを飲み食いしながら、お喋りを楽しみます。

 

下手糞なドイツ語で「あれは何? これはないの? 半分でも買える? 骨は抜いて。クレン(西洋山葵)どっさり。ゼンフ(マスタード)は甘口でね。野菜はえっと、ズッキーニ、じゃなくってキュウリは抜いて…他は全部、そうそうトマト多めでその豆は少しにしてね。勿論ザワークラウトは入れて…」てな具合に延々屋台のおばちゃんとくっちゃべり骨を外してもらった豚肉の量の多さに目を丸くするプリンセス達を、自分も順番を待っているのに全くイライラする風でもなく微笑みながら見守り、「マールツァイト」(訳に困りますが、「楽しんで召し上がれ」みたいなものか)と声をかけてくれる同年輩の男性…。

 

ステージではゆるーい民謡調ポップス中心のバンドが生演奏。”ワイン王”の従えるブラスバンドが、お祭り通りを行進して行きます。

…脳味噌の髄からたわみそうな、ゆるゆるにローテンションの悦楽 : )

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余裕のよっちゃん、グンポルツキアヘェン 前篇

プリンセス、グンポルツキアヒェンを巡ってずっと不思議に思っていたことがありました。

 

テルメンレギオン、特にグンポルツキアヘェンは、1世紀ほど遡ればオーストリアを代表する辛口白ワインの銘醸地だった、と生産者からも聞きましたし、書物にも書いてあります。

 

…それなのに、プリセスを圧倒して来た白はと言えば、ヴァッハウ、クレムスタール、カンプタール周辺の原成岩土壌に植えられたブドウから造られるワイン達が中心。後はライタベアクのヴァイスブルグンダーと百歩譲ってシュタイヤーマークのヴェルシュリースリングやクール・アロマティック系、そしてビオ&アンフォラ系…。オーストリアワインが国際市場を席巻する過程にあっても、何故かテルメンレギオンの白は忘れ去られたかのよう…(勿論Stadlmannシュタードゥルマンなどの例外はあるのですが)。

 

ウィーンが世紀末文化を謳歌する頃、最も有名な辛口白ワイン産地だった場所が、何故150年くらいの間に、なんだか目立たない産地になってしまったのか。

 

そしてもうひとつ不思議なこと。グンポルツキアヒナー(グンポルツキアヘン産ワイン)を構成する2つの地場品種(=Zierfandler ツィアファンドラー & Rotgipfler ロートギプフラー)は、何故ここにしかなく、他のオーストリアのワイン産地では育てられないのでしょう?

 

そんな疑問を抱えつつ、昨日日曜はグンポルツキアヒェンのノイシュティフトガッセで行われるヴァインフェスト・グンポルツキアヒエン(ワイン祭)に行って来ました。

バーデンの街からは5-6km。自転車で20分ほどの、一山越える感じで丁度良いエクセサイズ? ウソ : ) アラフィフには結構辛い丘越え…

 

まず、観光案内所とワイン生産者組合の案内所を兼ねた"i"を訪ねてみれば…。

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新DACは話題のヴィーナー・ゲミシュター・サッツ!

8月19日に誕生したオーストリアの最新DACは、日本でも人気抜群のヴィーナー・ゲミシュター・サッツ。

 

…その規定によりますと;

ヴィーナー・ゲミシュター・サッツの新規定は少なくとも3つの白の高品質ブドウ品種がひとつのウィーンの畑に混植され、ブドウ畑登録にヴィーナー・ゲミシュター・サッツとして登記されなければならないと定めている。ワインに使用されるブドウは、いかなる単一品種も50%のシェアを超えてはならず、3つ目の品種のシェアが少なくとも10%なければならない。また、ラベルに表示されるアルコール含有料は12.5%を超えてはならない。ワインは辛口ではっきり認知される樽のニュアンスがあってはならない。


ウィーンを代表するワインがGemischter Satzであることにはプリンセス、微塵の異議もありません。

 

しかーし!

 

>少なくとも3つの品種、ってちょっとあまりにも手ぬるくありません??


いかなる単一品種も50%のシェアを超えてはならず

ということは、逆に言えば半分グリューナーでも、半分ミュラー=トゥルガウやゼームリンクみたいなお邪魔虫にされがちな品種でも、ソーヴィニヨン・ブランやゲルバー・ムスカテラー、トラミーナーみたいなアロマティックな品種が半分占めていてもヴィーナー・ゲミシュター・サッツな訳ね??

 

で、もっと不思議なのが

>3つ目の品種のシェアが少なくとも10%なければならない

って、これ、本当に10品種以上混植しているような、例えばヴィーニンガーのGS Nussbergみたいな正統派のゲミシュター・サッツの場合、3つ目が10%以上にならないことだってあっても、品質や正当性の妨げにはちっともなりませんよね??? 

まあ、2品種で9割り以上占めたりしたらそもそもお話にならない、っていうのは判りますが…なんだか話のレベルが低くございませんこと?

 

グリューナー50%、シャルドネ30%、ソーヴィニヨン・ブラン20%、みたいなヴィーナー・ゲミシュター・サッツって有りですかぁ? 

グリューナーをミュラー=トゥルガウに代えると更に許し難いし、ソーヴィニヨン・ブラン40%、シャルドネ30%、ユービロイム30%なんて組み合わせも相当気持ち悪い…

 

更によくよく考えると狐につままれた気分になるのが

>ひとつの(originalは”in einem Wiener Weingarten”, "one vineyard in Vienna")ウィーンの畑に混植され

の記述。『ひとつ』って、どのくらいの広さまでひとつと認められるんでしょうか。上級クラス、つまりヴィーナー・ゲミシュター・サッツより更に狭い畑の範囲である"ヌースベアク"ですら、グロースラーゲであって単一畑ではありません。ましてやよりベーシックで大量に生産されるヴィーナー・ゲミシュター・サッツが『ひとつの畑から同時に収穫される』って、常識的に考えてプリンセスには信じ難いのですが…。

これって実際にはウィーンのどこにある畑でもヴィーナー・ゲミシュター・サッツの畑として登記さえしておけば、ウィーンの畑皆兄弟、我々ウィーンの単一の畑、って扱いになる、ってことですかね、きっと : )  それとも”One vineyard”は、ウィーンに「或る」畑、と解釈すべきなんでしょうか?

 

そして更に「騙された」気分になるのは規定のどこを見ても「一度に収穫して混醸」の言葉が見当たらないことです。別々に醸造したバッチをブレンドすることを禁ずる文言もありません。

 

…ってことは、3品種のブレンドをヴィーナー・ゲミシュターサッツと呼んでも法には触れないのか???

 

Hajszan Neumannハイシャン・ノイマンのStefan Hajszanシュテファン・ハイシャンによれば、ゲミシュター・サッツがミシュヴァイン(混ぜこじゃワイン=蔑称)と呼ばれていた2000年代初頭までは、多くのゲミシュターサッツがヴァインフィアテル産のバルクのグリューナーとブレンドされ、当時人気絶頂品種だったグリューナーとして世に出ていた、とか。

…となれば、一転、現在のようなゲミシュター・サッツ人気になると、少し前グリューナーとして、或いはシャルドネやミュラー・トゥルガウとして売られていたワインがゲミシュター・サッツに変身して市場に出る可能性も高い、ということ?

 

なんだかこの規定は、それをやりやすくしている側面があると勘ぐってしまうのは、ここオーストリアで何かと世知辛い思いをしているプリセスだけでしょうか…。

お城ワイナリーの御爺ちゃんペーターも「Ugh、ヴィエニーゼ! 政治的策略の天才ヴィエニーゼ…」って溜息ついていたしなぁ…。

 

※ 余談ですが別項に「ヴィーナー・ゲミシュター・サッツDACは単一畑名呼称で販売することもできる。この場合アルコール含有量は最低12.5%で、ラベル表示されねばならない。ワインは“辛口”のテイスティング特性に合致する必要はなく、収穫翌年の3月1日より前にリリースすることはできない。」とあるのですが、果たしてヌースベアクはこの場合単一畑名扱いになるのでしょうか…? それともあくまでローゼンガートゥルやヴァイスライテンみたいな本当の単一畑ものだけが畑名ワインで、ヌースベアクはヴィーナー・ゲミシュターサッツに過ぎないのでしょうか。

プリンセスとしては畑名もですが、アルテレーベンの樹齢規定をしっかりして欲しいところでした。

 

色々突っ込みたくなる箇所満載なヴィーナー・ゲミシュター・サッツDAC規定。

…信頼のおける生産者のものを自己責任で選びなさい、ってことですね : )

 
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2011年は柔和さが魅力の、若く飲んで美味しい年

実は月曜にシノワで行われたお食事会報告をしようと思っていたのですが、アップ直前に2度文章が忽然と消える、という事態に直面し、やる気を失ったプリンセス。

 

そんな訳で発見だけを箇条書きで書き留めておきます。ヴィンテージ表記のないワインは全て2011年です。

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ヒルシュ バックヴィンテージ・テイスティングを振り返る 最終章 愛好家編

そうそう、忘れた頃のご報告で申し訳ありませんが、前回帰国時のヒルシュの業界向けヴァーティカル・テイスティングの後、夜は愛好家向けお食事会を催したのでした。

 

そこではHeiligensteinの東隣に並びたつGaisbergガイスベアクのリースリングのミニ・ヴァーティカル――プリンセスのプライヴェート・セラーから04, 07, 09を供出――に、ハイリゲンシュタインの03&GVラム06のマグナム、という輸入元エステート・ワインズに在庫のある銘醸ワインを取り交ぜ、シノワのワインに合わせたコース・メニューとともに楽しみました。

 

Heiligensteinの陰に隠れて知名度的には地味なGaisbergガイスベアクですが、お城ワイナリー シュロス・ゴーベルスブルクにとっても非常に重要な畑。その優しい持ち味と、特に乾燥した年に瑞々しさを表現できる唯一無二の個性を感じていただけていたら嬉しいです。味わい的に和食、そして価格的にちょっとグレードを上げたい家飲みに…と、エアステ・ラーゲの素晴らしさを生活に取り入れて欲しい、というプリンセスからのメッセージは伝わったかなぁ?

 

シノワ渋谷店の個室の高い壁面が思わぬ迫力の大スクリーンとなり、お料理とワインのマリアージュ具合も最高! 初対面の方もいらしたのですが、オーストリアワインについての様々なご意見やご質問もいただき、とても充実した時間でした。

そうそう、Zaltoツァルトー対Riedelの、ともにオーストリア産グラス対決も面白かったですね。旧友でアカデミー・デュ・ヴァンの超人気講師であるKさんから「カリガラス(ZaltoやLobmeyr)は、ワインの味わいに縦に垂直な伸びを与え、鉛クリスタル(Riedel)は横の膨らみを与える」という解説をいただき、実際味わいがその通りなのにも感心。

 

ご参加下さった皆さん、シノワの皆さん、本当に有難うございました!

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ハイディのBAはバイク便に乗って… ワイン・ディナー@サンパ

47日、サンパでのワイン・ディナーは、日曜の夜、ちょっと早めの時間から始まりました。

サービスを仕切る飯岡さんはシノワ・チルドレンの一人で、オーストリアは普段からよく使ってくれているそう。お客様の数集めにイマイチ自信のないプリンセスに「岩城さんの知名度だったらすぐに集まりますよ(え? プリンセスって、オーストリアワインって知名度あるんでしょうか???)」とも言っていただき、大船に乗った積りで開始1時間前くらいにお店に入り、早速プロジェクタのセッティングやらワインの確認やら…。

 

…嵐の前の静けさ…

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鮓ネタ傾向別ベストパートナーを探そう@銀座壮石 その2

シャブリ (Chiblisienne)vs ゲミシュター・サッツ(Mayer am Pfarrplatz)の意外な展開のお話でした。

 

まず、同系列と思っていた2種のワインが、思っていたほど「似ていない」ことに改めてビックリ。カリカリしたミネラルは圧倒的にゲミシュター・サッツの方が多い。一方のシャブリは、ミネラル感より柑橘系の風味が豊か。因みにこのシャブリ、酒販問屋Iさんに「一番よく出る」ワインをリクエストしました。うーむ、とにかくこの柑橘風味はシャブリに限らず受けがいいらしい…。

余談ながら、グリューナーでもやたらこの香りの強いワインが日本のプロには人気で、プリンセスは愕然としたことがあります。え? 何故愕然とするんですか、って? …この柑橘風味は、テロワール由来でも、おそらくブドウ品種由来ですらない、醸造過程で生成された第二アロマ(酵母や低い発酵温度で強調される香り)のはず…、だからです。

シャキっとしたミネラル感と、何より「その土地らしさ」を愛するプリンセスとしては、圧倒的にワイン単体としてはゲミシュター・サッツの方が好みでした。

ところがサヨリと鯛を食してみれば、どちらの白身もプリンセスの注文通り実に繊細で口当たりも滑らかシャブリの緻密で滑らかなテクスチャーがぴったりと寄り添います。対するゲミシュター・サッツのミネラルは思ったより「ワイルド」で、カリカリのミネラル感はテクスチャー的に上品な刺身とはいまいちシックリ来ません。

これは驚きでした!

ゲミシュター・サッツは粗塩を振っただけで焼いた川魚や地鶏などと豪快に飲み食いした方がいいワインだと、この時心底から納得しました。そう言えばウィーンっ子ってホイリゲでガッツリ食べてるもんなぁ…。

ただし、ゲミシュター・サッツというのは面白いワインで、ベーシックな方からWiener Gemischter SatzNussbuerg(グロースラーゲ)→単一畑、と格を上げれば上げるほど、重量感より軽やかさが増すのが本来の姿。次回繊細なネタに合わせる際には、日本上陸間もないHajszan Neumannハイシャン・ノイマンの、未輸入の北西向き単一畑Weissleitenヴァイスライテンを合わせてみよう、などと妄想を膨らませるプリンセスでありました: )。

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ヒルシュのバックヴィンテージ・テイスティングを振り返る その4 業界向テイスティング 後編

セカンドフライトはカビの害の多かった08年のラム、そしてハイリゲンシュタインを09, 07で比較し、09についてはガイスベアクとも水平比較する、という趣向。

そしてサードフライドはラム06、ハイリゲンシュタイン03、ガイスベアク06、と何故か暖かい年のグレートヴィンテージと、酷暑の痕跡をリリース当初は酷評された年…と暖かい年ばかりのオールドヴィンテージ・フライトと相成りました。

 

こうして書くと「いかにも」そのように企画したかのように自然に聞こえますが、かき集めたワインから、なんとか筋道を立てるべく、畑毎にやろうか、品種毎に並べようか…、つまりミニ垂直を連ねるか、ミニ水平を連ねるか…と、ジグゾー・パズルのように前々日にフライトを組み立てたプリンセスの苦悩を、ここは偲んでいただきたい : )

 

驚いたのは、オーストリアマーケティング協会のサイトから拝借したヴィンテージ・チャートの画像を映し出した瞬間、あちこちで携帯カメラのシャッター音やフラッシュが炸裂したこと。実はプリンセス、このテのチャートがいかに実際のワインの品質や性質を反映しないかの見本として、使っていたのですが…

 

評価があてにならない実例を2つ挙げておきましょう。

点数低めの08は、確かにカビの害の多い、ブドウを育てるのが難しい年ではありましたが、選果をしっかりするワイナリーにかかれば、多めの雨によって根にたっぷりと取り込まれたミネラルが土壌個性をひと際よく映す、果実味よりミネラルの勝った、実に通人向けの味わいになっています。この日のGV ラム 08のように…。

プリンセスも含めたメディアが酷評した03にしても、実際リリース直後は熱苦しさの痕跡がありありで、どうしても好きになれなかったけれど、そして今でもリースリングとしては異例に酸がおだやかで、正直オーストリアン・リースリングの典型とは言えないけれど、10年を経てそれなりのいいバランスになっていました。不評の03をとっとと市場から引込め、昨年になってようやくリリースしたワイナリーの英知を称えたい、と思います。

 

最後に、その03年についてあと2点、記しておきたいことがあります。

ひとつは、03という年は、夏の猛暑とは一転、秋から晩秋の気温は近年で最も低く、初雪も最も早かった年だと言うことです。夏の高温に大慌てをして、フラッグシップのワインですら9月中に収穫を済ませるところが目立ちましたが、慌てふためき組は負け。プリンセスお気に入りのトップワイナリーは一様にじっくり収穫を待ち、現在議論は「初霜の直前に収穫した方が出来がいいか、霜を待った方が勝ちか」へと移っています。因みにヒルシュは前。ブリュンドゥルマイヤーは後。…うーん、どっちも10年を経た今まだまだ驚くほどエネルギッシュな素晴らしいワイン達です。 

そしてもうひとつはルーディ・ピヒラーがプリンセスに語った「それぞれのワインにはそれぞれに必要な時間というものがある」という言葉。 


ワインを愛する全ての皆さんに覚えておいていただきたい真実です。

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ヒルシュのバックヴィンテージ・テイスティングを振り返る その3 業界向セミナー前編

「鉄は熱いうちに…」とかなんとか言いながら、ヤボ用が重なりまくって、旧PC Think-Padは壊れて、新PC Ultrabookには弄ばれて…ヒルシュのテイスティングからもう2週間が経ってしまいました。

 

実はこのテイスティング、本来リースリングハイリゲンシュタインの垂直(02, 03, 06, 07, 09, 10, 11)に、0911の直近3ヴィンテージだけガイスベアクも絡める、という構成を予定していました。

ところが、会場のシノワにワインが納品された開催2日前になって、予定していたワインの半分余り「届いてない」ことが判明。過去のサンプルは勿論、輸入元エステートワインズの倉庫から社長&社員のプライヴェート・セラーまで探してもらってバックヴィンテージをかき集め、お越しいただく方々をガッカリさせぬよう、告知したバックヴィンテージというコンセプトとワインの総種類数だけは帳尻を合わせた、という実は冷や冷やもののテイスティング・セミナーとなっていました。

しかも、わざわざこの日のセミナーのためにハネスを訪ね、テイスティング予定のワインの各ヴィンテージと、各々のハイリゲンシュタインの特徴をこと細かに聞き出して来ていたのに…半分以上のワインが、品種が、ヴィンテージが違う…という、話をする側にとってもなんともやりにくーい状況。

 

にもかかわらず、セミナーを終えたプリンセスの気持ちは実に晴れ晴れしていました。理由は、ワインがそれぞれのヴィンテージと土壌や畑ごとの局地気候の特徴をよく映し出した素晴らしいものだったことに尽きます。


では、振り返ります。リストは下に添付しておきます。

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プリンセスの人生を変えたワイナリー、ヒルシュ

Foodex~大阪~名古屋と続いた鬼のロードもあとひと息。プリンセス東京に戻って参りました。

そこここのセミナーやらワイン会に来て下さった皆さん、本当に有難うございます!
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冷涼ワイン原理主義者達よ、額づくべし!!――ウヴェ・シーファー訪問記 エピローグ

そしてプリンセス、50ml程度しか注いでいない4本のワインと購入したReihburg 08が1本入った6入段ボール箱を片手に抱え、お城へ乗り継ぎ、乗り継ぎ帰途につきました。荷物がひとつ増えると必ず何か置いてきてしまう困った習性を持つプリンセス帰り道はとにかく財布といただいたワインを持ち帰ることだけに集中:)しました。

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