おお、モリッツもウヴェも大人気だぁ!!

<<前回はシャンパーニュのお題でした

 

私用に忙殺されてご無沙汰だったfacebookを久々に覗いてみると、来日していたモリッツMoricと昨年初めてそのトップ・キュヴェであるライーブルクReihburgが日本市場に紹介されたウヴェ・シーファーUwe Schieferの話題が満載!! 

彼らのワインが日本市場でも非常に高く評価されていることに、2人をインポーターさんにご紹介した超本人として感慨も新たにしたところです。紹介者なんて地味なもので、世間に受け入れられてしまえばその存在は忘れ去られるのが常。誰も誉めてくれないので、ここで自画自賛しておくとします: )。

二人についてはこのブログにも色々書いていますので、オーストリアワイン・ファンの皆さん、ピノや優美なバローロ、懐の深いローヌ好きの皆さんは、是非リンクを覗いてみて下さい。一層ワインが味わい深く感じられることでしょう。

 

モリッツ関連リンク;

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ローラントの弟子とも言うべきHannes Schusterのワイナリー、ロージー・シュスター関連リンク;

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ウヴェ・シーファー関連リンク;

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思い起こせばオーストリアワイン応援団長を自負して既に10年以上。オーストリアを拠点とするまでは主にジャーナリスト&エデュケーターとして、11年春以降はエージェントに軸足を移して応援して来ました。そもそも商売として何の展望もなく始まったこのオーストリアワイン贔屓。自分の応援しているものが少しずつメジャーになれば、自然と応援活動が職業的好循環をもたらす、とナイーヴに信じて来たものの、そんなに世間は甘くない、単純でもない、と痛感すること幾千回 …。

その一方で、言葉もロクに通じず、配偶者も雇い主も個人的な友人も貯蓄も定収入も、お城を出てからは定宿すらない、ないないづくしの環境で、どういう訳か毎日の暮らしを、むしろ日本にいた頃よりも、深く慈しみ楽しむ術を身に着け、最近はヨーロッパ全体の文化や社会について、その成り立ちやら歴史の裏舞台の痕跡を肌で感じられることが面白くてたまらず、「ワインが私をここまで連れて来てくれたのだなぁ」と、しみじみ別の感慨に耽ることがあります。

 

…で、思うのですよ。

元々私がMoricやUweのワインを発見できたのは、部外者として何のしがらみもなく、生産国や風評、権威に対する色眼鏡なしでワインを評価する姿勢があったから。もし最初からオーストリアのワイン業界にドップリと浸かり切っていたなら、恐らく雑音が多過ぎて、或は主流派が見え過ぎて、業界の異端中の異端である二人に虚心に向き合うことは難しかったかも知れませんし、世界のワインメディア広しと言えども私が言い出しっぺと自認する”エレガント・ブラウフレンキッシュ”の潮流も、こうしてその流れが立派にインターナショナルに認識されるようになるまで、探り当てられなかった可能性もあります。

…であれば、ここはつまらぬしがらみからはちょっと身を引き、オーストリアワイン応援団長の殻も脱ぎ捨て、もっと今、自分が本当に面白いと思うことにコミットしよう、と考え始めました。私が就職した当時のルールに従えば、もう去年で引退の身。既に余生みたいなものですし:)。

 

では、一層とっちらかるであろう酔狂なオバサンの発見や閃きに、今後もゆるゆるとお付き合い下さい。

 

次回はシャンパーニュがテーマの久々のワイン会のお知らせです>>

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ピットナウアー Falstaff誌ワインメーカー・オヴ・ザ・イヤー 2014に! 後篇

<<前回はご近所の畑報告でした

 

それでは受賞記事〆の部分です。

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夏の帰国時イベント

<<前回は帰りの便で巻き込まれたトラブルあれこれ、のお話でした

 

改めて、ただいま〜! ワイン破損のショックと思いきや、どうやら風邪をもらって来た模様。

 

さて、帰国中に皆さんとお目にかかれそうな予定を、決まっているものからまとめておきます。例によって青字は業界限定です。

業界の皆さんとも、ワイン愛好家の皆さんとも、私的友人達とも、再会を楽しみにしています!

  

オーストリアワイン最新動向

日時:     8月2日(土) 18:30~

場所:     西麻布 provinage 

料金:     15,000円 (税、サービス料込)

定員:             8名(主催者1名を含む) 
申込受付:    コーディネイトを手伝ってくれている木村さんまで

概要:     

オーストリアワインの聖地”provinage"でお送りする、オーストリアの今についてお伝えするお食事会。ボトリングしたてのUwe Schiefer Szapary 2012の手持ち帰り、オーストリアの食文化やワインのトレンド vs オーセンティシティを伝える品々等、岩城私蔵のオーストリアを中心に、プロアマ問わず、オーストリアが大好きな方々と共に味わいたいと思います。

 

今、改めてヴァッハウ

日時:     8月4日(月) 19:00~

場所:     シノワ 渋谷店 http://www.chinois.jp/shibuya.html

料金:     13,800円 

定員:             11名 (主催者含む)
申込受付:    お店 tel 03-5457-2412まで

概要:     

「オーストリアは高い、特にヴァッハウは…」と思っている人が多いのでは? 論より証拠。ヴァッハウの東端から西端まで、代表的な気候&土壌のワインを味わってみましょう。オーストリア随一の産地としての魅力は勿論、それ故の保守性など問題点まで、スライドや収穫体験談なども含めてお楽しみいただきます。ほぼ現地でしか入手できないクノルのTBA(しかもトラミナー!)など非常に珍しいワインも、私蔵ライブラリーよりお出しします!

 

涼を呼ぶ夏のネタとオーストリアワイン 

日時:     8月7日(木) 19:30~

場所:     鮓 銀座 壮石 http://www.nishitani-sushi.com/

料金:     13,000円 

定員:             20名 
申込受付:    お店 tel 03-6228-4659まで

概要:     

蒸し暑いからこそ涼を演出するのが得意な日本人。「涼感」にこだわった鮓ネタとお料理に、元々涼しさが売りのオーストリアワインを合わせて楽しみます。特に今回はネタとワインの温度感やテクスチャー&ストラクチャーの相性にまで踏み込みつつ、オーストリアの夏のワイン風物詩や最新トレンドのご紹介も盛り込んで、暑気払いしたいと思っています。

詳細はこちらをご覧下さい。

 

Sommer Spritzer ゾンマー・シュプリッツァー オーストリアワインで弾ける午後

日時:     8月9日(土) 15:00~

場所:     table a day. 

https://www.facebook.com/pages/table-a-day/634286290001799

料金:     未定 

定員:             未定
お問合せ&申込受付:    a day.逗子店 tel 046-871-8171

概要:     

逗子&代々木でおなじみのワイン・ショップ a day.が横浜仲町台に3店目を開店。料理家高谷華子さんのお料理とともにワインが味わえるファン待望の新業態で、その名もtable a day.。開店イベントの一環として、今回はオーストリア・ワイン文化のカジュアルな一面にフォーカス。多彩な泡を中心に、赤のホープ生産者や貴腐に合わせた、ホイリゲやカフェの定番スナック料理を、table a day.アレンジにてお楽しみいただける予定です。

 

<<<滞在後半予告>>>

 

「今見逃せない」ワイナリーご紹介テイスティング

日時:     8月18日(月) 14:00~17:00

場所:     アルルの食堂urura https://www.facebook.com/arurunourura

料金:     無料 

定員:             12名 
申込受付:    岩城までemailにて先着順 ※facebookのgoingでは正式受付とはなりませんのでご注意下さい。

定員:     1次締切8月8日。最終締切8月17日。

概要:     

日本市場進出&定着を希望する有望生産者3つ x 各2種のワインをご紹介する業界限定ミニ・テイスティング。手持ち帰り主体のため、ワインは各1本のご用意となりますので、参加希望される方は、、8月8日までにメールで岩城までご連絡下さい。申込状況により、8月10日以降、一般愛好家の方の参加も受け付けます(ウェイティング可)。

 

予定ワイナリー; 

※ワインは諸事情により予告なく変更する場合があることをご了承下さい。

Karl Schnabel@Steiermark 

07年以来、天候やコンディションに関わらず、亜硫酸完全無添加を貫いて来た、オーストリアとしては異色のワイナリー。独特の石英土壌が生むBlaufränkisch & Chardonnayを。

Muhr van der Niepoort@Carnuntum

アソートが変わりました! ボトリングほやほやのSamt & Seide(velvet & silk) 2012は残念ながら機内破損しましたが、現行ヴィンテージBlaufränkisch  Carnuntum 09と11を比較試飲。

Rosi Schuster@Leithaberg

アソートの変わった2012は秋以降のご紹介とし、今回は現行ワインSankt Laurent Burgenland 10の美味しさを再確認。過去のスタイルで生産された2ワイン―Blaufränkisch Burgenland 08, Blaufränkisch Rusterberg 08―と比較し、彼のスタイルの変遷を辿ります。


次回へ>>

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ウヴェ・シーファー20周年イベント vol.6 オーストリアのロマネ・コンティ=サパリ登頂

<<前回はケーニヒスベアクの様子をお伝えしました

 

やって来ました。Uweとともに来る3度目のSzaparyサパリ! 

今日はいつも車を降りる畑の東部てっぺん付近ではなく、西寄りの南東向きの斜面の一番下から登ります。若木のブラウフレンキッシュが株仕立で植えられている区画です。

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ウヴェ・シーファー20周年イベント vol.5 畑巡り 1.Königsberg ケーニヒスベアク

<<前回は涙のチョチョ切れる超レア・バックヴィンテージ・デイナー後半をお伝えしました

 

前の晩、宿に戻ったのは3時半頃だったですかねぇ…。ディナーの後になにやら別のお酒まで飲んだような記憶もあるような、ないような…。

 

8時過ぎには空港へと旅立った日本人部隊にお別れのご挨拶もできず、2日目イベントのバスが迎えに来る10時ギリギリまで私はダウン…

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ウヴェ・シーファー20周年イベント vol.4 サパリ&ライーブルクのバックヴィンテージにメロメロ

<<前回はディナー前半の様子でした

 

さあ、4つ目のお皿とともに、遂にサパリの登場です。

※因みにサパリはオーストリアのロマネ・コンティに例えるべき畑。ウヴェの区画は若木の比率が高かったため、11年ヴィンテージまではライーブルクが最高値でしたが、12年ヴィンテージより正真正銘フラッグシップ・ワインとなりました。

※後日注:この情報は誤り。12年も従来通りライーブルクはサパリの1.5倍以上の価格で、樽熟成期間もサパリが約2年、ライーブルクは半年増しのままでした。謹んで訂正致します。

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ウヴェ・シーファー20周年イベント vol.3 美味し過ぎてワインが残せない…

※愛用カメラのオートフォーカスが効かなくなってしまいました。当分ピンボケお許し下さい。

 

<<前回はウェルカムドリンクのウフードラーのお話でした

 

メニューを見て驚愕! ウェルカムドリンクと合わせて24種のワイン…。各100mlとしても2.4ℓですから、半分は捨てないと立って帰れないことは明白です。

 

ああ、それなのに最初からシェフの才気を感じさせる素晴らしいお料理! ワインがすすんでしまいますぅ…

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アイゼンベアク再生なるか 最終章 神様の御心は? 後編

 <<このブログは前回の続きです

 

けれど、ドン底を打ったその翌日、彼は他産地から最良のブドウを調達することを決意。その新プロジェクトの味わいは先日試飲する限り、プアバッハはあくまでもピュアな石灰らしいミネラルと余韻、ネッケンマークトはあくまでも堅固な構成、ルッツマンスブルクはここならではの若いうちから官能的魅力…と、まだまだボトルリングまで半年以上を残すバレルサンプルながら、しっかりテロワールの個性を表しているところがウヴェの底力を感じさせる出来だ。

ショートPでドン底に突き落とされた翌日の浅田真央のフリーでの美技を思わせる不死鳥ぶり!!!

 

この2013年ヴィンテージが、単にウヴェにとって悪天候による例外年のラインアップとなるのか、それとも今後は何かと逆風の強いアイゼンベアクは持ち駒のひとつとし、ブルゲンラント全体から素晴らしいブラウフレンキッシュを調達するスタイルへの方向転換の第一歩なのかは、今の時点では明言はできない。

 

ただ、2011年以来病床のウヴェをストーカーのように追い回して、ようやくワインを日本市場に紹介するとろこまでこぎつけた本人としては、どうか読者の皆さんにはウヴェのワインに相応しい、じっくりと時間をかけた楽しみ方をして欲しいし、彼のワインに潜む、相反する繊細さと強靭さを存分に味わって欲しいと願う。

そして、プロの皆さんには、我々はウヴェのワインをその質と労力、そしてその精神性に見合った価格で買い支え、売ってみせることでしか、彼を応援することはできないのだ、という真実にも向き合ってみて欲しい。例えそれが彼を再びより深い「不条理」の奈落に突き落とすことになったとしても。

 

というのも、浅田真央も後日のインタビューで、「あのSPがあったからこそ、あのフリーの演技がある」と語るように、もしかして2013年の不幸は、ウヴェにアイゼンベアク以外のカンバスを与えたい、という、その人が一番輝ける、その人らしさが十全に発揮できる場所へ引き上げるための、神様の計らいなのかも知れない、と私には感じられるから。

 

次回は帰国時イベントのお知らせです>>

 

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アイゼンベアク再生なるか 最終章 神様の御心は? 前篇

<<このブログは随分前のブログの続きです

 

人生の不条理、なんて大仰なことを書いた途端ブログが止まっちゃったじゃないのJ

…っていうか、帰国前はいつも鬼の忙しさ…ま、私の段取りの悪さがこういう時に浮き彫りになるだけの話ですが…で、全く時間が取れませんでしたぁ…。

 

気を取り直して、本題に戻る…ウヴェの話だった?

 

ウヴェに限らず、ワイン産地(多くはド田舎)では抜きんでた存在は村人から後ろ指を差されがち。

「け、俺っちんとこで1リットル€2で売ってるブラウフレンキッシュをあいつは750ml15で売りやがる」でな具合に。

実はそうした輩こそ、その抜きんでた存在(例えばモリッツのネッケンマークトやウヴェのライーブルク&サパリ)のお蔭で産地自体のネームヴァリューが上がり、高値で自分の畑やブドウを買ってくれるとなると、掌を返したようにできるだけ高い値で売り抜けておいて悪びれもしない。

 

多くのブドウを共働耕作の上買い取るスタイルを取るウヴェ等の場合、こうして結局自分のワインが高い評価を受ければ受けるほど、周囲の畑やブドウの価格を吊り上げ、自分の財力では良質のブドウが調達しづらい状況に追い込まれる、という「不条理」に直面することになる。彼の苛立ちや長期にわたる体調不良には、そうした状況に対するやりきれなさも大きく関与していたに違いない。

 

2010年花振るいと年間を通しての低温による不作の後、ウヴェは体調を壊している。そして、2011年&2012年は良作年ながら平年以下の収量の中、ワインが売れることを前提に投資を続けて来たウヴェにとって資金繰りの大変さもさることながら、この辺りからアイゼンベアクDAC発足を巡るいざこざや、共働耕作パートナーとの折合の悪化、ブドウ価格の上昇、優良区画を着々と買い進めるワイナリーの出現…と、「自らのワインがカルト人気を得ることで自分の首を締める」という不条理との戦いが延々深刻化を増すことになる。

 

アイゼンベアクのポテンシャルは、もちろんウヴェ一人で開拓し尽くせるものではない。だからいちオーストリアワイン・ファンとしては、グローサー・ヴァインやヴァハター・ヴィーズラーなど地元の、そしてヴェーニンガーなど外部のワイナリーが続々とアイゼンベアクに色気を出す状況を歓迎したい。こうして様々なワイナリーが素晴らしいワインを世に問うことで、産地への注目度が更に高まり、また生産者間の切磋琢磨により、更なるレベルアップも望めるというものだ。

翻ってウヴェのワインの信奉者であり、彼をよく知る身としては、ウヴェの辛さがヒシヒシと伝わるだけに、やりきれない気持ちもまたひとしお。

 

そして彼は、2013年に雹でアイゼンベアクの9割以上のブドウを失い、地元から思うように不足分のブドウも調達できなかった。

 

神様はつくづく残酷なものだ…。

後編は次回に>>

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アイゼンベアク再生なるか その5 サパリ堂々の成長

<<このブログは前回の続きです。

 

続いて既にボトリングされたワインを味わう。

 

何を間違えたか、最初に出されたのが2012年のサパリとライーブルク。

これまではテイスティングのポイントが「サパリがどこまでライーブルクに近づけるか」に行ってしまいがちだった気がするけれど、今やサパリのレベルはライーブルクと全く対等。両者の異なる個性の対比がより鮮明になった。

純粋なグリーン・シスト土壌に近いサパリは、高い酸と透明度の高い果実味のもたらすテンションが魅力の、いわばラ・ターシュ的個性。一方のライーブルクは静謐さの奥に膨大なタンニン、ミネラル、果実風味をため込んでいるという点ではロマネ・コンティに、サパリより多少重めの土壌が生む、円やかなスパイスや腐葉土的ニュアンスという点では、むしろDRCならロマネ・サンヴィヴァンに例えたい。

 

その後2ランク落ちの2012年ブルゲンラント。「プロだから大丈夫だろ?」と。まあねぇ(^^;

2011年までズュドブルゲンラントと呼んでいたもので、別にブドウの原産地にこの年変化があった訳ではないのだが、狭義のアイゼンベアク産ブドウ100%でないワインを"アイゼンベアクDAC"と呼ぶのがどうしても嫌なのか、2013年を見据えてここから名称変更したのか…。

グラン・クリュ達に較べればはるかに軽量級とは言え、ドライトマトや内気なハーブの香りを湛えたデリケートな個性は、ちゃんとウヴェの味。このレベルのワインを至極お値頃に味わえるこちらの人は本当に幸せだ、と思う。

 

こうしてボトリングされたワインを味わってみれば、いつもは瓶詰め直後にはむっつり押し黙ったままのウヴェのワインとしては、2012年はおしなべてよく開く。とても伸びやかで瑞々しさが好ましいが、一方で凝縮感&緻密さはやや物足りないので、若いうちから親しみやすい反面、2011年に比べると長熟な年ではないのかも知れない。

 

最後にKönigsbergケーニヒスベアク, Eisenbergアイゼンベアク、と、村名クラスのワインを2つ味わった。

ケーニヒスベアクは実に魅力的な出来。深く円やかな果実味はウヴェのワインとしては非常に万人受けする味わい。ウヴェ曰く「ケーニヒスベアクがあるから、僕にツヴァイゲルトは要らない。わかるだろ?」 6000本を11月にリリースし、既に在庫が600本というのも頷ける。

しかーし!

断然ウヴェらしいのは、やや神経質な白コショウやタイムなどハーブ、透明なチェリー香味に品の良い柔らかな塩気を感じさせるアイゼンベアクの方。

 

私的にはアイゼンベアクが断然『買い』なのだが、市場人気は絶対逆だろうなぁ J

 

次回は人生の不条理に迫ります:)>>

 

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アイゼンベアク再生なるか その4 ウヴェ・シーファー大変身!

<<このブログは前回の続きです。最後にブログでフィーチャーした希少ワインが入手できる新企画のお知らせ有り!

 

ローラント・フェリッヒなど、極上の古木区画を探しては地主と共同耕作をするスタイルの生産者達の場合、訪れる度に毎回違った畑のワインが登場することにはもう慣れっこ。だから白のバレルサンプルにグリューナー・ヴェルトリーナーの“チャターベアク”なる新顔畑が出現しても、私は全く驚きも何もしなかった。

 

ところが、だ。

赤最初のワインをカラフェから注ぐウヴェの言葉とグラスから立ち上る香りに、私はブッ飛んだ。

 

“ツヴァイゲルト 2013

 

別に品種間に貴賤をつける積りはないけれど、キャラとしてこれくらいウヴェに不似合な黒ブドウもない…。

ポカンと口を開けて呆気に取られる私にウヴェは言った。

「雹で9割のブドウを失ったから、近隣の農家にブラウフレンキッシュのブドウを売ってくれ、と頼んだんだ。そうしたらツヴァイゲルトも買わないと売らない、って言われたから、仕方ないだろ。心配しなくていいよ。ロシア市場のエージェントが気に入って、大量に買っていったから(ウインク)。」

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アイゼンベアク再生なるか その3 パイオニアの憂鬱

<<このブログは前回の続きです

 

一年振りにウヴェ・シーファーを訪れたのは先月30日、折しもオーストリア中大雪に見舞われた日。ウィーンからアルプスの東端の山の中を通り抜ける長距離バスの車中、「ここまで暗く降りしきられちゃあ、雪景色も撮れやしない」と、ブルーになっていた。

昨年もガスりまくりでサパリの雄大な景色の写真が撮れなかったしかも、昼食に用意してくれたオールド・ヴィンテージがブショネだは、テイスティングしたワインがことごとく開かないは、おまけに抜栓したワインを一度に抱え持ち帰ったお蔭で肩を痛め、そこに五十肩が重なって今も酷いことになっているし…。「もしかして私、ウヴェと相性悪いのかしら?」とため息交じり。

 

実は私は昨年の訪問時以来、彼の心身の健康状態をとても心配していたのだ。

傑出したワインは、高額の看板キュヴェほどすぐに売り切れてしまうけれど、2010年はそもそも天候上売るワインが極少量。11年、12年も平年を下回る収穫量だった。そんな中、売ったワインの利益を愛するアイゼンベアクの畑の買収とコンディション改善につぎ込んで来た彼の焦燥が、言葉の端々に現れていた。

しかも彼の敵は天候だけではなかった。外国人地主を排除したいハンガリー政府、そしてどうやら最も堪えているらしいのが、ウヴェ最愛のアイゼンベアク一帯の銘醸畑(とそのポテンシャルを持つ空地やコンディションの悪い畑)の地主達や一帯の生産者達との軋轢であることが、毒を含んだ彼のボヤキから感じられた。

そこへ持って来て、20136月の雹で彼は所有畑のブドウの90%以上を失っている。

 

アイゼンベアクに近づくほどに強まる雪を眺めながら、いかにも病み上がり風情だった、痩せて目の落ち窪んだ昨年のウヴェを思い起し、私の胸には何か『不穏な予感』が生まれていた。

 

しかーし!

待ち合わせ場所のグロースペータースドーフのバス停で、奥さんとともに車を降りたウヴェの活き活きした目と、差し出す手から伝わる力強さに、私は瞬時にウヴェの健康&精神状態の良さを確信。極悪の天候とは裏腹に、気持ちは一気に晴れ渡った。

 

現地に入るまでは「サパリの雪景色写真撮影」への一縷の望みも捨て切れていなかったし、同畑に株仕立てで植えられた若木の成長具合も確認したいと思っていた。が、更に強くなる雪の勢いを見て畑回りは一切断念。前回とは逆に、ゆっくりテイスティングに時間をかけることにした。

 

そして最初のバレルサンプルの試飲途中から、私は目をむくこととなる。

 

そのバレル・テイスティングの様子は次回>>

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アイゼンベアク再生なるか? その1 大きいことはいいことだ?

<<前回のブログはこちら

 

2011年が初ヴィンテージのアイゼンベアクの新進ワイナリーは、その名も Groszer Weinグローサー・ヴァイン、即ち「大きいワイン」と称する。だから今回は名手というよりホープのご紹介。

 

ワイナリーを訪れたのが昨年収穫も間近な912日。

ウヴェ・シーファーの力で世界のワイン愛好家の耳目を集めることとなったアイゼンベアクの特等区画、サパリとサイブリッツ他に畑を有し、56年内には完全有機農法を目指し、勤勉な独人ワインメーカー、マークス・バッハを擁し、おまけにしっかりとした資金的裏付けを持つこの幸運なワイナリーのワイン達は、初ヴィンテージとしては非常に高い完成度で私を驚かせた。(※母胎のワイナリーがあるし、マークスは前ワイナリーからの留任なので、本当の意味の初ヴィンテージとは言えないのだが)

 

普及価格のブラウフレンキッシュは、ズュドブルゲンラントらしいクールで生き生きとした果実味と、ほど良く抑えたタンニンのさじ加減が好ましい。

白もヴェルシュリースリング7割にヴァイスブルグンダー、グリューナー、ムスカテラーの加わる、ウィーンとはまた趣の異なる、しかしながらこちらもキリっとしたミネラル感溢れるゲミシュター・サッツだ。

フラッグシップの2つの単一畑ものは、サパリのテンションとサイブリッツの鷹揚さ、という両者の対比がバレルサンプルの時点で既に華やか。やるなぁ。

 

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シルヒャーの王者ライテラー1年振りの再訪

<<前回はこちら


取材報告第二弾は同じくヴェストシュタイヤーマークより、やはりシルヒャーの生産者、ライテラー。

2004年春、2009年春、2012年9月14日(=プリセスの誕生日)、に続いての再訪です(前回の訪問記はこちら)。

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2011年は柔和さが魅力の、若く飲んで美味しい年

実は月曜にシノワで行われたお食事会報告をしようと思っていたのですが、アップ直前に2度文章が忽然と消える、という事態に直面し、やる気を失ったプリンセス。

 

そんな訳で発見だけを箇条書きで書き留めておきます。ヴィンテージ表記のないワインは全て2011年です。

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ハイディのBAはバイク便に乗って… ワイン・ディナー@サンパ

47日、サンパでのワイン・ディナーは、日曜の夜、ちょっと早めの時間から始まりました。

サービスを仕切る飯岡さんはシノワ・チルドレンの一人で、オーストリアは普段からよく使ってくれているそう。お客様の数集めにイマイチ自信のないプリンセスに「岩城さんの知名度だったらすぐに集まりますよ(え? プリンセスって、オーストリアワインって知名度あるんでしょうか???)」とも言っていただき、大船に乗った積りで開始1時間前くらいにお店に入り、早速プロジェクタのセッティングやらワインの確認やら…。

 

…嵐の前の静けさ…

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冷涼ワイン原理主義者達よ、額づくべし!!――ウヴェ・シーファー訪問記 エピローグ

そしてプリンセス、50ml程度しか注いでいない4本のワインと購入したReihburg 08が1本入った6入段ボール箱を片手に抱え、お城へ乗り継ぎ、乗り継ぎ帰途につきました。荷物がひとつ増えると必ず何か置いてきてしまう困った習性を持つプリンセス帰り道はとにかく財布といただいたワインを持ち帰ることだけに集中:)しました。

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あは! 見破られてました:)―― ウヴェ・シーファー訪問記 第5章

セラーでの驚きからプリンセスが回復し、テイスティング・ルームへの移動を促されつつ、ウヴェがプリンセスに尋ねます。「帰りのバスの時間は?」

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ウヴェ・シーファー訪問記 第4章 バレル・テイスティング

ウヴェを訪ねたのは1月の10日。この時点で、秋にボトリング予定の赤看板畑の2011年のメインブレンドは既に終わっていました。つまり、2,3の特殊な樽を除いてほぼブレンドが完了した状態です。

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こんなとき、あなたなら?――ウヴェ・シーファー訪問記 第3章

サパリの土霊?に力づけられたのか、ウヴェは、ヘル(綴りはHöllですが)という町を通り抜けながら、「ヘルの町長の名前はデヴィルだったんだよ。」などという軽口まで叩きながら、「2012年は2011年同様暖かい年だけれど、よりアルコールと酸とのバランスの取れたグレートヴィンテージだ」と嬉しそうに語ります。

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