ウィーンの森のワイン・イベント――ゲヌースマイレ最終日――ハイライトはやっぱりグンポルツキアヒェン!!

<<前回はシリア難民が続々と押し寄せるオーストリアの状況をご報告しました

 

さて、再びワイン・イベントに話を戻して、”ゲヌースマイレ”の最終回です。


このイベント、直線距離でも15km。かなり迂回もするし、だから本当に全部歩くと30-40kmになるのではないかなぁ…。途中大きく途切れたり、畑もシャンクも存在しない区間も存在するなど、長い長いコースを一日で歩き通す人はまずいないでしょう。

では一日しか参加できない場合はどこを攻めるか? …となれば、特に個人的御贔屓ワイナリーを訪ねるのでない限り、私はグンポルツキアヒェンからプファフシュテッテンに向かう区間をお勧めします。

1世紀遡ればオーストリアいち、いや欧州随一の白の銘醸地とも言われたグンポルツキアヒェンと、ブルゴーニュ同様ブドウを育てる僧侶の拠点でかつ、バーデンとグンポルツキアヒェンというホイリゲで有名な両村落に挟まれたプァフシュテッテン(ここも白の産地)。

ウィーンの森の中で最もレベルの高いワインを造るポテンシャルの斜面が舞台で、シャンクの集積度も最も高く、そこを訪ねる人出も圧倒的に多い、ぶっちぎりの花形区間です。

 

その見事な斜面を徒歩縦断しながらゆったりと飲み食いができるゲヌースマイレの醍醐味を、このブログを通して読者の皆さんと共有しちゃいましょう!

 

ではお約束の写真から。

<グンポルツキアヒェンの町から入ってプファフシュテッテンの目前まで行き、また町に引き返して来ました>

かなりの数の人々がワイン街道(=ウィーンの森のグランクリュ区画を縦断する道であると同時に、その下を”ウィーン水道”が通っている)に連なっているでしょう? 

でも不思議なことに、ウィーンの街やライタベアク、アルプスの山々まで視界の開けた雄大なセッティングと、高原に漂う心地よい風のせいか、人混み嫌いの私でも不快感を感じない、イベントが華やぐ程よい賑々しさ!


歩きながら一応飲みのポイントは絞って…、当然ここではツィアファンドラー!

いや、何杯もゴクゴク飲むならツィアファンドラーロートギプフラーという、この産地を代表する、そしてオーストリア内でもこの産地でしかお目にかかれない超マイナー地場二品種のキュヴェ(ブレンド)通称”シュペートロート=ロートギプフラー”或は”グンポルツキアヒナー”(こちらは品種が特定されない)にしたと思うのですが、個性のシッカリしたワインで数を絞るなら、リースリング、フルミント、ヴェルシュリースリングと並ぶ4大酸フェチ御用達品種の一角、ツィアファンドラーしかないでしょう:)。

 

さて、マイナー中のマイナー品種ツィアファンドラーですが、ここグンポルツキアヒェンでは主役を張っておりまして、デザート系を除く食中酒だけでも大別して3スタイルが存在します。

 

ひとつ目は近代的な辛口。還元的な造りで果実味をフィーチャーし、それを軽い樽風味で引き立てるタイプ。代表的ワインはJライニッシュのシュピーゲル。

 

二つ目は所謂クラシックな造り。ニュートラルなステンレスタンクか大樽で寝かせ、土壌由来のミネラルの旨みにフォーカスするタイプ。代表的ワインはツィーラーのラースレリン、シュタードゥルマンのマンデルヘーエ。ハンドリングをかなり酸化的にするのか、色も濃い目で、ナッティーなアロマを放つ。

 

3つ目は中口=リープリッヒ。酸が高い品種なので、これもリースリングやフルミント同様、多少残糖があった方が、素直に美味しいワインとなりやすい。この辺のホイリゲでツィアファンドラーを頼むと、このタイプが出てくることが多い。

 

この日は気楽なアウトドアイベントですから、シャンクにフラッグシップのラーゲンヴァイン(単一畑ものワイン)なんか、通常ありません。造ってないところも多いし。

なので、ツィーラーではベーシックなツィアファンドラー・クラシックを飲み、歩き疲れるとちょっとロートギプフラーだのグンポルツキアヒナーだのに浮気をし…

 

更に黙々と歩き続けると、グンポルツキアヒェン側最後にして、ゲヌースマイレ一番の人気とおぼしき”シュニッツァー”のシャンクが見えて来ました!! 

 

ご覧下さい、この賑わい!!

この一番人気シャンク”シュニッツァー”で再びツィアファンドラー、今度は伝統的スタイルのリープリッヒをいただきました(…って、ツィアファンドラーはそれしかないんだけど:)。

 

うん、やっぱり酸とミネラルの豊かなポテンシャルの高い品種だ! 

でも恐らく一般大衆人気は、完全な辛口同士を比べるなら、きっと陽性のオレンジの風味豊かなロートギプフラーの方が高いだろうなぁ。

そして、ツィーラーのクラシークとシュニッツァーのリープリッヒの比較だと…うーん、これは甲乙つけ難い。

ツィーラーはこんなにベーシックなワインでもスタイリッシュだし、シュニッツアーは多少緩いものの、理屈抜きで幸せになれる液体で好対照。

それにしてもシュニッツァー、特にお値段が他に比較してお安い訳でもないのにこの人気…。グンポルツキアヒェン側のどんづまり、というロケーションが最大の原因であろうとはいえ、何かこのワイナリー、「持ってる」ものがありそうで気になります。近々訪問するしかないな:)。

私の見たところ、やはりこのイベントで多く飲まれているのは、シュトゥルム、次にシュトゥルムのシュプリッツァー、そして通常のシュプリッツァー…ってところでしょうか。あくまで印象ですけどね。

 

ところで、最近私は酸とミネラルの豊かなリープリッヒと軽めのスナック、という組み合わせが妙に気に入っています。

この日も豚肉団子と野菜の串刺しをつまみにいただきましたが、肉のうまみが倍加されてよかったですよ!

皆さんにもリープリッヒを食事と合せて試して欲しいなぁ。結構病みつきになると思う:)

 

さて、それでは最後に、今回ゲヌースマイレで歩いて回った場所を再確認しておきましょう。

一日目はオレンジ(北端のメードリングからグンポルツキアヒェンまで)、2日目は黄緑(南端のバート・フェースラウからバーデン、バーデンからプファフシュテッテン)、3日目は青(グンポルツキアヒェンを起点に、プファフシュテッテンまで行って引き返す)――という訳で、ついに全行程歩き通しました!!

 

この週は他にも色々歩く機会があったので、おそらくこのイベントに参加した1週間と一日の間に、私は軽く50km以上畑を歩いたことでしょう…ま、シリア難民の比ではありませんが…:)。

 

次回は再びその難民問題についてです>>